初音ミク英語講座:その2
前回の講座は時間切れとなりましたが、今回分の前に、とても有用なサイトをご紹介します。
まず、最近みつけた「VOCALOID入門 スペクトラムとエンベロープで見る初音ミクの発声とパラメータ設定の実際」というサイトがとにかくすごい。コントロールのさまざまな組み合わせによる効果をスペクトラム、エンベロープで見せ、音で聴かせてくれます。ミク使いならば、このすべてに目を通しておくべきでしょう。
・VOCALOID入門 スペクトラムとエンベロープで見る初音ミクの発声とパラメータ設定の実際
この内容を頭に入れてから、自分のなかで消化したものを徐々に採り入れていけばいいと思います。
もう1つ、わたしが初音ミクを入手してからすぐに参考にさせてもらったサイトの「闇詠ノ日記」。ここで「初音ミク」教育計画というチュートリアルが掲載されています。これは非常に分かりやすくて実践的。
まだの方はぜひ目を通してください。闇詠乃功良さんが作ったミクにウチナーグチで島唄「てぃんさぐの花」を歌わせてみた(full?版)、初音ミクでオリジナル曲「不思議ノ森」(いずれもニコニコ動画)のすばらしく調整された作品を聴けば、参考にしたいと思うはず。
では、英語講座の続き。
・ダブルトラックを使う
これが今回のテクニックのほぼすべてです。
VOCALOID Editorにはトラックを追加して、初音ミクをハモらせることができます。でも、トラックを追加するときに、入力した情報をそのままコピーすることもできるのです。
ボーカルのダブルトラックが、コピーするだけでできるのです。これを使わない手はない。
・ない母音を作る
たとえば、catのaの母音である[ae]という発音記号のとき、「アとエの中間で、口をよこにひっぱるように開く」という説明をしますが、その場合には、片方のトラックでは[a]を、もう片方で[e]を歌わせて、合わさった状態で両方が混ざったような効果を出すという方法が使えます。
ほかにも、「アとオの中間」「エとオの中間」といった効果が出せるはずです。
・ない子音を作る
初音ミクでいちばんの困りどころは、thの発音でしょう。だってないんですから。濁るほうも、濁らないほうも存在しないために、疑似的にやらなければいけません。
わたしはtheを表現するのに、[da]と[ze]を組み合わせましたが、ほかにももっといいやり方があるかもしれません。
・そのほかのパラメータを試す
CrossOver Macでは画面が表示されないため、手探りでやるしかないのですが、OPE(OPENING)を使って、口の開き方を調整する方法もあります。「きよしこのよる」では、virginの「ir」のあいまい母音(eを左右反転させたようなやつ)を伸ばすところで使いました。OPE値を引き下げることで、口の開き加減を抑えて、無理矢理あいまい母音の長音を作っています。
[v]の音もthと並んで出しにくいですね。これは、[u]と[b]のダブルトラックで、BRパラメータをその部分だけ強めにしています。
追記1:ニコニコ動画にアップした「Silent Night」では、[l]に[d]を割り当ててパラメータを工夫するというやり方を使ったのですが、コメントで「lがtに聴こえる」という指摘が。この部分は個人的にももうちょっとかな、と思ったので、ダブルトラックでは[u]ではなくて、[r]と混ぜるといいかもしれません。
追記2:闇詠乃功良さんのチュートリアルがまとまっているのを発見したので、本文内に追記しました。VOCALOID使いには定番サイトだとは思うけど、いちおうリンク。
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