プロジェクト管理・ポートフォリオ管理ツールの活用方法を中心に、IT投資管理の考え方をご紹介して行きます。

Windows XPが長生きした理由

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いまから随分前ですが、ハードウェアのメーカーでSEをしていた時に、ファミコントレードという仕組みを担当した事がありました。ファミコンを端末として、電話回線を使って、株のチャートを見たりオンライン取引が出来るシステムで、当時の株高もありかなり流行したものでした。自分が担当した時にはすでに、バブルも弾け、サービスの終焉を迎える直前となっており、最後のサーバーのマイグレーションなどを担当しました

テレアシストというNTTの電話端末を使った、受発注システムを開発した事もありました。これは専用端末が置けない、小さな販売代理店やコンビニを対象にした仕組みでした。当時は、このような目新しいITを活用したシステムが、他社と圧倒的な差別化を実現し競合有利性を持つことが出来たのです。企業は積極的に様々なIT投資を行い競合優位性を得ようとしました。

インターネットが普及した現代においては、ITによるこのような新規サービスで競合有利性を得る事は徐々に困難になってきています。タブレットも4G回線もすでにコモディティとなっており、ありとあらゆるサービスが生まれていますが、すぐにコピーされて、価格競争に晒され、コモディティになってしまいます。

ITの能力が向上し、コモディティ化が進むに従って、IT投資そのものの戦略的な価値が徐々に低下していると言われています。現在では、積極的にITに競争優位を求めるのではなく、コモディティとして、コストとリスクを厳しく管理する事が、IT投資管理で最も必要とされています。

Windows XPのサポート切れが来年に迫り、多くの企業が大量のPCの買い替えを考える時期に差し掛かってきています。いまだに日本の大企業のお客様のPCは多くがWindows XPです。なぜWindows XPがこれほどまでに長く使われたのか、それは結局ユーザーが業務で必要としているCPUパワーやDisk容量やメモリ容量が、既にある程度の飽和点に達してしまっているからです。これ以上ハイパワーなPCが実際の業務に必要なくなっている事を表しています。

普段社員が業務で使うアプリは限られています。ワード、EXCEL、ブラウザー、ERP。それらを動かすだけであれば、64Bitのメモリー空間は不用ですし、最新のWindowsもまた不用であり、セキュリティリスクがあるにせよ、古いPCを永年使い続けて来た事は理にかなったった選択でした。

ITへの積極的な投資が企業有利性をもたらす事す時代は終わりを告げ、IT投資を継続しなければ、企業が衰退するという事も現実的ではないことが明らかになってきています。現代ではIT投資は10年前に比べて明らかに、より穏やかにそしてより戦略的になってきています。

調査によると、企業のIT投資の比率と企業業績には積極的な因果関係がないという事が判っています。それにも関わらず、IT投資で成功している会社とまったく成果を出していない会社があるのも事実です。大切な事はどれだけの予算をITに費やすかではなく、いかに正しいIT戦略を持つかにかかっています。

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