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人類VS情報 膨大な情報に対し、個人はどう向き合うべきか

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インターネットが出て、検索エンジンができて、PCとスマートフォンが普及し、底なしに情報を獲得することができるようになりました。底なしの情報量です。
カリフォルニア州立大学バークレー校の「How Much Information?」での研究では人類が今日まで残してきたすべての情報量(洞窟壁画などの情報全てを含めた)を2003年~2004年のわずか2年間に新規作成された情報量が超えていることを発見したそうです。(記事はこちら
 
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*文部科学省「情報爆発時代に向けた新しいIT基盤技術の研究」
 
PCさえあれば誰でも底なしの情報に触れることができるという状況に、私たちははじめて直面しています。この情報に対して、個人としてどう向き合うのか。今大きな流れは3つあるのではないかと思います。
 
1、遮断する
触れる情報をできるだけ減らすために、意識的に情報を遮断する方法です。
例えば、休日は意識的にインターネットを見ないようにするような人も出ているようです。
ノーベル経済学賞を受賞したハーバート・サイモンは、「情報の豊かさは注意の貧困をもたらす」と言ったそう。こちらの記事では、一橋大学の経営学者の楠木建氏がインプットする情報量を削減することを提唱しています。
 
2、キュレーターに任せる
その道のインフルエンサーをフォローしたり、まとめ記事などを見る方法です。
これはマスメディアを見ていた頃と基本的に同じ行動かと思います。夜のニュースと日経新聞はチェックするという情報収集を、ネットのキュレーターをチェックする方法に変えただけかと思います。
 
3、個人レベルで扱ってみる
エバーノートなどの色んなツールを使って、個人で膨大な情報を扱ってみる方法です。キュレーターがやっているようなことを個人レベルでやるイメージでしょうか。フリップボードの公式キュレーターの1人である中林鉄太郎氏は、膨大な情報の整理術を公開されています。
 
この3つの方法のどれが正しいのか、まだ誰も分かりません。どれも正しいのかもしれません。ただ、遮断とキュレーターに任せる方法は、今までのやり方と変わりません。まだ誰も体験したことのないチャレンジは3番目の方法でしょう。個人レベルで膨大な情報を扱うことで何が生まれるのか、これから探っていく段階にあるのだと思います。
 
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