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コーポレート・トランスフォーメーションを実現する3つのコア機能

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経済産業省は2024年1月17日、「第19回 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会」を開催しました。

今回はこの中から、コーポレート・トランスフォーメーションを実現する3つのコア機能についてとりあげたいと思います。

1951~1960年頃の通産省産業合理化審議会答申により、コントローラー制、事業部制を導入を提言。しかし、日本企業に事業部制は浸透したが、コントローラー制は定着せず、経営企画部門が成立。結果、日本の経営管理組織内に分断が進み、事業部の独立性が高まっています。

コーポレート・トランスフォーメーションを実現する3つのコア機能

こういった状況の中、コーポレート・トランスフォーメーションへの重要性が高まっており、グローバル競争力強化に向けて、日系企業型経営から「ワールドクラスの経営」への変化が必要とされています。

製造産業局のCX研究会では、リソース・アロケーションの意思決定・効率を左右する3つのファンクション(ファイナンス、HR、IT/デジタル)に注目しています。

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出典:経済産業省 第19回 産業構造審議会 経済産業政策新機軸部会 2024.1.17

それぞれの3つのアクションについて、ポイントだけ紹介したいと思います。

【ファイナンス】グローバル競争力強化に資する企業経営の型

ファイナンス機能の中核を担うのは、企業価値と事業価値の向上をミッションとして負うビジネス・ファイナンスの重要性が高まっています。日本企業においては経営企画部門と経理・財務部門とに分かれていることが多いとしています。

ビジネス・ファイナンスは、経営戦略・事業戦略の立案、それを実行するための計画立案と分析を担っています。

日系企業ではCFOは複数の管理担当部門の1つと捉えらていますが、グローバル企業におけるCFOは、CEOの最も重要な「ビジネスパートナー」として位置づけられ、役割を果たせるように権限をCFOに集中させていることが多いとしています。

【HR】グローバル競争力強化に資する企業経営の型

CHROの果たす役割として、グローバル/リージョンレベルのタレント管理及び組織を跨いだリソースアロケーションを行いつつ、事業戦略の実現に必要な人材の採⽤や育成が、中央/ローカルそれぞれに配置され、連携されていることが重要としています。

【IT/デジタル】グローバル競争力強化に資する企業経営の型

多くの日本企業では、全体のアーキテクチャ設計(あるべき姿)を描かないままに、現場(ユーザー)の声に任せたシステム開発がなされてきた可能性。

特に経営管理の中核を担うERPの導入/刷新に当たっても、業務(KPI 、業務プロセス、業務ルール、コード)の標準化レベルが低い企業にはそもそも(カスタマイズなしに)導入できないという課題を指摘しています。

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