オルタナティブ・ブログ > 『ビジネス2.0』の視点 >

ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

Beyond 5Gの国際標準化と標準化支援、そして事業化

»

総務省は2024年2月6日、「情報通信審議会 情報通信技術分科会 技術戦略委員会 革新的情報通信技術プロジェクトWG(第4回)」を開催しました。

今回はこの中から、Beyond 5Gの国際標準化と標準化支援、そして事業化についてとりあげたいと思います。

国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)に革新的な情報通信技術の研究開発推進のための恒久的な基金を造成しています。

次世代情報通信インフラBeyond 5G(6G)の重点技術等について、民間企業や大学等による研究開発を支援しています。

Beyond 5G基金では、日本が強みを有する技術分野を中心として、社会実装・海外展開に向けた戦略とコミットメントをもった研究開発プロジェクトを重点的に支援(社会実装・海外展開志向型戦略的プログラム)しています。

同プログラムでは、グローバルな市場獲得や経営・ビジネスの観点から、標準化戦略を含めた事業面からの評価・モニタリングを実施しています。

Beyond 5Gの国際標準化の本格化

次世代情報通信インフラBeyond 5Gは、これから国際標準化の検討・作業が本格化する見込みであり、世界各国の主要企業が、国際的な市場獲得に向けてこれに注力していくことが想定されています。

国際標準化には、「デジュール標準」(ITUなど国の代表で構成する公的機関で標準規格を定める)と「フォーラム標準」(先端技術分野で国際的に有力な企業等がフォーラム組織を形成して合意により規格を決める)があります。

情報通信分野では、フォーラム標準での議論を主導しつつ、適切にデジュール標準に反映していくことが重要となる傾向があるとしています。

スクリーンショット 2024-02-10 10.16.31.png

出典:総務省 2024.2.6

Beyond 5G基金事業とスキーム

Beyond 5G基金事業は、2030年代の導入が見込まれる次世代情報通信インフラBeyond 5G(6G)について、我が国の国際競争力の強化や経済安全保障の確保を図るため、社会実装及び海外展開を見据えた民間企業や大学等による研究開発・国際標準化を支援しています。

オール光ネットワークの事業者間連携のための共通基盤技術の開発や、既に着手しているプロジェクトの継続的な支援、さらには、国際標準化活動に対する支援のため、B5G基金を拡充し、研究開発・国際標準化、社会実装、海外展開に向けた企業等の思い切った関連投資等を促していくとしています。

5G基金事業のスキームでは、

①社会実装・海外展開志向型戦略的プログラム-助成型:~数十億円程度/年(補助率最大1/2)(積増)-委託型:業界横断的な共通基盤技術の研究開発(新規)
②要素技術・シーズ創出型プログラム-委託:~1億円程度/年(最大数億円)
③電波有効利用研究開発プログラム-委託:開発規模に応じ、上記①/②と同程度
④国際標準化活動支援メニュー(新規)-助成:社会実装・海外展開志向型戦略的プログラムに採択された実施者を対象とし、国際標準化活動に必要な旅費や専門人材の人件費等を支援

をあげています。

これらの予算として、2023年の補正予算として、190.0 億円を計上しています。

Beyond 5Gの標準化において、「どこで稼ぐのか」

総務省では、Beyond 5Gの標準化においても、「どこで稼ぐのか」の事業戦略を明確にした上で臨むことが望ましいとしています。

通信標準化を活用した場合の事業戦略の主なパターンの幅として、市場形成戦略、オープン・クローズ戦略、ライセンス戦略、試験・認証戦略の枠組みで以下のとおりまとめています。

スクリーンショット 2024-02-10 10.22.27.png

出典:総務省 2024.2.6

Comment(0)