オルタナティブ・ブログ > 『ビジネス2.0』の視点 >

ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

未来に向けた新しい働き方とキャリア ~新しい時代の働き方に関する研究会 報告書から

»

社会経済の大きな変化、特に人口構造の変動や技術の革新による産業の変容の中で、働く人々や企業の状況は劇的に変わりつつあります。

新型コロナウイルス感染症の出現は、企業活動だけでなく、働く人々の働き方やその意識に影響を及ぼしています。

特に、テレワークの急速な拡大は、多くの職場での新しい働き方として受け入れられています。

社会経済の動向や新型コロナの影響を背景に、多くの人々は高収入やスキルの向上を求めて、転職や副業・兼業を選択しています。

これらの変化に対応して、働く人々の意識や希望はますます多様化してきています。このような状況下で、企業は人手不足や採用の困難さに直面しつつ、組織の団結を維持するために、各々の働く人々の希望に応えることが重要となっています。

厚生労働省では、2023年9月29日に「新しい時代の働き方に関する研究会 第14回」を開催し、「新しい時代の働き方に関する研究会 報告書(案)」を公表しています。

今回の研究会では、働く人々の多様な希望を実現し、全員が最大限の能力を発揮できる環境の構築が我が国の発展の鍵であるとの考えから、労働基準法制の将来像についての二つの視点、「守る」と「支える」を提案しています。

本報告書は、これらの考えを基に、労働基準法制の今後の方向性について詳しく説明しています。

未来を担う全ての方へ

今回は、この報告書から「第4章 未来を担う全ての方へ」に焦点をあててとりあげます。

ポイントは以下のとおりです。

新型コロナウイルス感染症の影響
・働くことの意義と働き方に対する考え方が多様化してきた。この傾向は、不確実な時代においても強まると考えられる。

働く人の幸せな職業人生に必要なこと
・自分で働き方を選択し、キャリアプランを描けるようにすること。
・一つの企業で成長する、転職やキャリアチェンジでキャリアアップを目指す、ライフイベントと仕事を両立するなどの選択肢が重要。

働く人の選択を支援する仕組みの必要性
・企業内と労働市場の両面から、働く人の多様性や主体性が活かされる働く仕組みを追求する必要がある。

誰もが「人生の主人公」として
・企業、社会、国が協働して働く人が希望や期待を持てる環境を作ることが求められている。

法制度等の整備と意識・行動の変化
・企業や働く人一人一人にも、意識と行動の変化が求められる。

企業に期待すること

ビジネスと人権の視点
・人権を尊重し、健康確保を図る。
・人権デュー・ディリジェンスに取り組む。

主体的なキャリア形成の支援
・人的資本投資に積極的に取り組む。
・労働条件の改善、主体的なキャリア形成への支援。

働く人への情報提供
・働く人に必要な情報や機会を提供。
・労使コミュニケーションを活用。

働き方・キャリア形成への労使の価値観の共有
・パーパスとビジネスの将来像を明確にし、働く人と共有。

働く人に期待すること

働き方の自由な選択
・創造性・専門性を持って働く。

自己管理能力(セルフマネジメント力)の向上
・健康管理などの自己管理能力を高める。

主体的な能力開発
・企業や労働市場で求められる人材になるための能力開発。

Comment(0)