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自動走行やロボティクス等の5つの重点分野〜Connected Industries分科会から

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経済産業省は2017年8月31日、「Connected Industries」大臣懇談会(第3回)」を開催しました。

大臣懇談会は、既存産業とデジタル技術の「つながり」をはじめとして、機械、データ、技術、ヒト、組織など様々なものの繋がりによって新たな付加価値の創出や社会課題の解決を目指す「Connected Industries」の実現にあたって、担い手となる産業界の代表や有識者の方々を招聘し、官・民双方の取組について議論する取り組みです。

「Connected Industries分科会」の構成について(案)は、市場成長性、我が国産業が有する強み、社会的意義の大きさ等により、重点取組分野を5つ程度に絞り、取組の加速化と政策資源の集中投入の検討を進めています。

5つの重点分野は「自動走行・モビリティサービス」「ものづくり・ロボティクス」「バイオ・素材」「プラント・インフラ保安」「スマートライフ」となっており、ビジョン(社会的意義)、市場成長・経済効果予測、推進主体、横断的課題などの項目でまとめています。

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出所:「Connected Industries」大臣懇談会(第3回)

【自動走行・モビリティサービス】今後の取組の方向性は以下のとおりです。

<取組の全体像>
■解決すべき課題
より安全かつ円滑な道路交通に資する「交通事故の削減」「渋滞の緩和」「環境負荷の低減」、より多くの人が快適に移動できる社会に資する「運転の快適性向上」「高齢者等の移動支援」、自動走行に関する自動車関連産業の国際競争力を確保する。
■現状整理
国内外の事業者は無⼈⾃動⾛⾏による移動サービスを2020年頃に実現することを⽬指す動きがある。我が国自動車メーカーは、欧米自動車メーカーとともに世界をリードする一方で、部品やソフトウエア等については、欧米勢の取組が極めて活発であり、サービスについては非伝統的な分野からの新規参入が多くなっているなど、決して楽観できない状況。
■これまでの主な取組
我が国が自動走行において競争力を確保し、世界の交通事故の削減等の社会課題の解決に積極的に貢献するため、現状の課題を分析して必要な取組を検討するため、製造産業局長と国土交通省自動車局長の検討会として2015年2月に「自動走行ビジネス検討会」を設置。
■今後の取組の方向性
自動走行を社会実装していくために欠かせない実証実験の拡充・深化を図るとともに、実証実験で得られるデータの共有をすすめる。また、各社が共通して利⽤する共有インフラ(⾃動⾛⾏⽤地図、開発⽤データベース等)を官⺠協⼒して整備して協調領域の深化拡大を図る。加えて、協調領域としてこれまで十分な議論がされていない、自動運転技術開発に必要な人材育成等について新たに検討を行う。分科会では自動走行を念頭に議論し、並行して、コネクテッドカーやシェアードサービスといったトータルモビリティサービスの提供のあり方についても検討が必要。

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【ものづくり・ロボティクス】今後の取組の方向性は以下のとおりです。

<取組の全体像>
■解決すべき課題
先進欧米企業等への対抗の観点からも、我が国の強みを生かした価値創出(エッジ側の強みを活かしたソリューションの提供等)が必要。また、国内の人手不足の解消も必要。
■現状整理
「スマート製造」の推進に向けて主要国が取組を強化。我が国は機械系メーカーが強く、グローバルに競争力を有する企業が複数存在。強みである「技術力」と「現場力」を活かすような「人間本位」の考えで、社会や顧客の課題を解決する「ソリューション志向」による価値獲得が重要。
■これまでの主な取組
2015年にロボット革命イニシアティブ協議会(RRI)を設立。2016年にRRI下で協調領域に関するアクショングループ等も組織。特に、2016年から日独連携を積極的に推進し、2017年のCeBITの機会には「ハノーバー宣言」を締結。専門家会合等も分野ごとに適宜開催。
■今後の取組の方向性
RRIでこれまで進めている協調領域(国際標準化、サイバーセキュリティ等)の最大化に向けた議論を、主要企業トップの関与の下で、さらに深化。また、ものづくりデジタル人材育成等についても協調領域として新たに検討を行う。

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