オルタナティブ・ブログ > 『ビジネス2.0』の視点 >

ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

ビジネスモデル転換と支援する各国の政策、一体化したイノベーション政策

»

経済産業省は2015年2015年7月3日日、「通商白書2015」を公表しました。

通商白書の構成は以下のとおりで、非常に読み応えのある内容となっています。

スクリーンショット 2015-07-23 7.33.07.png
出所:経済産業省 通商白書 2015.7

第II部 日本を活かして世界で稼ぐ力の向上のために
第1節 ビジネスモデルの変革とそれを支える各国の政策
第2節 イノベーション力の強化のために

のポイントを少し、ご紹介したいと思います。

各国では、ドイツのIndustrie4.0に代表されるように、ビジネスモデル転換のための政策的な取組みが進んでおり、競争力に乗り遅れない政策的な支援の必要性も指摘しています。

【ドイツ】

Industrie4.0は、日本と同様の課題(高齢化、コスト)を抱えるドイツが、競争力を有する製造業を、ファクトリーオートメーション等によってさらに強化させるためのものドイツの事業環境(研究開発機関、大学、産業クラスターの連携)が業種横断的調整と、中小企業のイノベーションを可能に

【米国】

積極的なリスクテイクを許容する環境の下、イノベーティブな企業活動が米国の成長を牽引
IoT(Internet of Things)や人工知能を活用した先進的なビジネスモデルを米国企業が先行して展開。優位に立つプラットフォーム型ビジネスを他のビジネスともインテグレートすることで、さらに優位性を高める動き
米国政府によるイノベーション環境の充実、基盤技術を強化する政策がこれらの企業活動を下支え

スクリーンショット 2015-07-23 7.35.04.png

出所:経済産業省 通商白書 2015.7

イスラエルをはじめ、政府の政策的な支援を背景に、呼びこむ力と一体となったイノベーション政策で競争力強化に取り組んでいる各国の事例も紹介しています。

イスラエル:

革新的な技術やスタートアップ企業を次々に生み出すことに成功。
・資金・技術の呼び込み(ハイテク企業が海外投資家から資本調達、グローバル企業のR&D拠点集積)
・政府が起業の初期段階のリスクを積極的にとり、スタートアップを支援

スイス:

グローバル企業や高度人材を海外から受け入れることで生産性向上に成功。
・グローバル企業の呼び込み(約1000社の立地)、留学生や外国人労働者の受け入れ
・連邦政府が、産業と大学・研究機関との橋渡し役となり、応用研究開発・スタートアップを支援

台湾:

政府主導で優秀なハイテク人材の就業・起業の機会を拡大
・起業家精神に富む人材の集積化(研究機関やサイエンスパーク内の企業への受け入れ)
・政府がハイテク産業に資金等を重点的に投資。政府系機関が事業化に必要なあらゆるサービスを提供。

スクリーンショット 2015-07-23 7.35.12.png

出所:経済産業省 通商白書 2015.7

Comment(0)