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「ファブ社会推進戦略 〜Digital Society 3.0〜」について

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総務省は2015年7月7日、「ファブ社会の基盤設計に関する検討会」 報告書を公表しました。

総務省情報通信政策研究所では、2015年1月より「ファブ社会の基盤設計に関する検討会」にて、3Dプリンタなどのデジタルファブリケーション機器の普及によるファブ社会の到来を見据えて、その社会を支える情報基盤、制度的基盤および人的基盤について検討を行い、報告書をとりまとめています。

報告書のタイトルは「ファブ社会推進戦略 〜Digital Society 3.0〜」です。Digital Society 3.0については、新素材とパーソナル・ファブリケーションによる「製造」(デジタル革命3.0)を経て到来する第3次デジタル社会であると位置づけ、報告書にも明記しています。

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出所:総務省:ファブ社会推進戦略 2015.7.7

本戦略の背景には、デジタルファブリケーションの変化やマーケット構造の変化により、3Dプリンタ等を用いた個人レベルでの自由なものづくりが行われ、3Dデータの形態でネットワーク上を流通し、販売される社会である「ファブ社会」が到来しつつあり、この本格的なファブ社会の到来に向けて、情報基盤、制度基盤、人的基盤について、検討しておくことが必要としています。

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出所:総務省:ファブ社会推進戦略 2015.7.7

ファブ社会においては新しいものづくりの中心的な役割を担う存在として、創造的生活者であるファブ・シチズンの登場をあげています。一方で、円滑なデータ流通を実現するネットワークの整備や企画の統一、データの標準化や、方・社会制度面の知識向上、人材の発掘・育成などの環境整備においての課題もあげられています。

本戦略では、本格的なファブ社会を迎えるために有効な方策を「情報基盤」、「制度的基盤」、「人的基盤」の観点から整理するとともに、社会実証について提言するとしており、「情報基盤」では、3Dデータなどを流通させるネットワークが生命線であり、ものづくりを支えるための情報基盤の整備が必須であるとしています。

「情報基盤」には、「ファブカプセル(.fab)」「マテリアル・データベース」「ファブコラボレーション基盤」の3点をあげています。

◆ ファブカプセル(.fab)

・ものに関するあらゆるデータを標準化し、1つのデータフォーマットにパッケージ化することが望ましい。これにより、生産、流通等のすべて の履歴を追跡することができるようになり、知的財産管理、製造物に関する責任などの社会制度への適切な対応が可能となる。
・製造・販売戦略に対応できるようノウハウの共有/秘匿の選択、一部独自仕様のデータ化を可能とするように実装すべきである。

マテリアル・データベース

・日本の素材開発・製造の強みを活かして、新しいものづくりに活用される素材に関するデータベースの構築が必要である(標準化を含む。)。
・誰でも素材の性質を理解できるようソフトウェアへの取り込み、材料の提供者/使用者のマッチングを支援する機能を実装すべきである。

ファブコラボレーション基盤

・法制度に係るリスクをコントロールするために個体識別タグの埋め込みとそれを管理する基盤の整備が必要である。
・遠隔地や異なる種類の機器でもコラボレーションしてものづくりを行うことができる基盤とすべきである(規格の統一や標準化を含む。)。

そのほか、制度的基盤整備では、「知的財産管理」「製造物に関する責任」「品質保証」の対応をあげています。

社会実証では、「ファブタウン」構想 を以下のようなイメージで取り組んでいくとしています。

・ファブ社会の社会像を明確化し、イメージを共有してもらうためにショーケースとして社会実証を実施し、施策の有効性を評価することは重要である。
・社会実証においては「地方創生」を意識すべき。地方の文化的な独自性をもとにした素材の活用、地域の個別性の高い課題を解決するためのものづくり、地方独自のビジネスの育成等の観点から有益である。

ファブ社会は、地方創生にもつながりことが期待されており、創造的生活者であるファブ・シチズンの活動や情報基盤や制度基盤の整備などそれらを後押しする街づくりの形成が期待されるところです。

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