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SaaS・NGN・セカンドライフと企業情報システムの5年後

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先週金曜日、野村総合研究所が主催する「ITロードマップセミナー Autumn 2007」に参加してきました。サブタイトルは、“企業情報システムの5年後はこう変わる!”で、「セマンティック技術」、「次世代ネットワーク(NGN)」、「SaaS」そして「セカンドライフ等の仮想社会ビジネス」の4つがテーマでした。

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各テーマのポイントは、以下のとおりです。

1. セマンティック技術

 “知識”をデジタル化し蓄積するセマンティック技術(自然言語処理技術を含む)が次世代の中核技術となる

 ベンダ・Sierは、知識を武器にビジネスを行う。もしくは、顧客が知識を武器にできるように仕立てる

 ユーザ企業は、概念知識(オントロジー)を活用する仕組み作り1~2年以内に

 2. NGN

 固定・無線の融合まで含めるとNGNの本格化は2010年以降

 新たな市場を求めて、通信キャリアはITサービス市場に参入(SaaS、ホスティング)

3. SaaS

 社内の既存システムと向こう側のSaaS連携ビジネスに機会がある

 ブームが過熱する一方で、米国では破綻するケースもあり、適切な戦略を持って参入する必要がある

4. セカンドライフ

 日本人ユーザは、新しい世界を活用し続けるかどうかの岐路に立っている

 仮想世界をビジネスで活用するためには、集客から顧客までループで考えることが重要

 

仮想世界の企業情報システムの活用シーンは見えているのか?

今回講演のテーマになったセマンティック技術やNGNそしてSaaSはビジネスの成長がどの程度見込めるか現時点ではまだ不明確ですが、ビジネスの活用シーンはおおよそ見えているのではないかと感じています。

 
仮想世界においては、コンシューマの世界でもまだ一般ユーザ向けのインターフェイスや検索機能等まだ確立されていない部分が多く、コンシューマITでも普及するかどうか疑問符がつけられています。一方、以前からIBMが遠隔会議等でセカンドライフを活用する事例等がありましたが、2007年秋から仮想世界を企業のコミュニケーションやコラボレーションの場として提供するという動きが活発しているようです。

 
例えば、シスコシステムズの「Virtual ISPN」は、4万社に上るバーチャル・パートナーとの情報交換の場と位置づけ、Intelは企業向けの3次元仮想オフィス構築の次版を共同で開発し、2008年に提供を開始する予定です。

 
また、日本においてもトランスコスモス等が「meet-me」等の日本版の仮想世界を提供し、島国の日本では、日本版の仮想社会は受け入れられ、企業の活用にも展開していく可能性も低くはないのではないかと感じています。

 

最後に

企業情報システムの5年後の世界は、NGNというインフラの部分そしてSaaSというプラットフォームの部分で大きな変化が予想されます。そしてビジネスにおいてのコラボレーションの場が仮想世界の中でも展開していくことも考えらるでしょう。また、そのブムーブメントはコンシューマITの中から出てくるということは否定できないと考えています。コンシューマITWeb2.0のブームにもしっかりと注目し、企業の情報システムの未来のあり方を考えていくということが大切な時期にきているのかもしれません。

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