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テレビのデジタル化がドライビングフォースとなり、全ての情報メディアが一旦、収縮する時代の羅針盤

スマート革命と栄枯盛衰その2、フェースブックフォンは藪蛇、フェースブックの衰退の始まりかと言うロイターの見方が加速

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<序文>

 4月4日に発表されると言われているフェースブックフォンの噂に関してはフェースブック「Myst」と言うコードネームや「First」と言う名前など様々な記事が出ています。

 

 その中でロイターはスマートデバイス特化型の新たなメッセンジャーサービスの台頭の中、23年でフェースブックは衰退すると言う米国シリコンバレーの投資家の見方の広がりを紹介しています。

 

 アンドロイドOS用のソフトウエアを修正したとされるフェースブックフォンの登場の噂と共に俄かにフェースブック衰退説が注目を集めています。(以下の3番目のロイターの日本語記事にはアクセスが殺到しており、9時ごろには全くアクセスできません)

 

 やはり一人一台のパソコンから一人が七台のスマートデバイスを使い分けるスマート革命時代への移行は、恐竜フェースブックを滅ぼす隕石となるのでしょうか?

 

 

★★Image of supposed 'HTC First' Facebook phone leaks

 

★★Youth flock to mobile messaging apps, may be threat to Facebook

 

★★焦点:無料通話アプリの利用者急増、フェイスブック脅かす存在に

 これがフェースブックフォンなのか?

Htcfirstindex

<出所:バージ>

 

<具体性を帯び始めたフェースブックの衰退説>

 

 これまでスマート革命によるフェースブック衰退説は、2010年から2011年にかけて時々見られましたが、肝心なスマートデバイス上の新サービスの姿や形は描かれていませんでした。一人一台のパソコンから一人が七台のスマートデバイスを使い分けるスマート革命の時代には、パーソナルコンピューティングの新しいライフスタイルが誕生し、それにフェースブックが追随できるかと言った実際の脅威を伴わない理論的なトーンでした。

 

 また2012年の上場時には「スマートデバイス上でフェースブックは広告売り上げを稼いでいない」では「どうするんだ!」と言った批判が中心でした。

 

そしてこの間、ザッカーバーグCEOはフェースブックフォンの噂を一貫して否定して来ました。

 

しかし今回は様相が異なります。WhatsappKikPathなどのライバルサービスが若者を中心とした参加者の急増と共にフェースブックを脅かし始めていると言うロイターの指摘です。ロイターの記事では欧州でも同じトレンドであり、アジアは4億人が参加する中国発のWechat、8千万人の韓国発のカカオトーク、1億3千万人の日本発のLINEにより市場が三分されていると言うモノです。

 

 グローバルに登場したスマートフォン上のメッセンジャーサービスが、それぞれの地域でパソコンとブラウザー依存の総合サービスの恐竜であるフェースブックを脅かしているとされています。

 

判り易く申し上げれば、スマート革命と言う隕石衝突の下でフェースブック恐竜に隠れて、闇夜にこそこそと行動していた地球の新しい主人公である哺乳類の姿が明白になり始めたと言う点が衝撃です。

 

<小さな単機能サービスがゲームで成長過程に>

 フェースブックは単純なソーシャルネットワーク(6次の隔たりのソシオグラム=ソーシャルグラフ)理論に基礎置いたものでした。その爆発的な成長と広告収益の伸びはジンガに代表されるソーシャルゲームが成長し、マイクロ取引(仮想の剣や剣ならぬ牛や種の販売)で稼いだお金をフェースブックに広告売り上げの形で還元すると共に開始されました。

 

しかし今やフェースブック上ではトップソーシャルゲーム企業のジンガが全く振るわず、ソーシャルゲームの流れはスマートデバイスにシフトしています。

 

ロイターの指摘の中では単純なサービスであるメッセンジャーサービスの上でゲームが伸び始めたと言う点が見逃せません。哺乳類が大きく成長を始めたと考えられます。

 

2・5億人参加のWhatsappや4千万人参加のKik、インスタグラムやスナップチャットなどは未だ単機能ですが、これから様々な仕組みを取り込んで大きく成長します。

 

 

<新しい個人コンピューティングのスタイル>

 スマート革命のプラットフォームで新たに登場したメッセンジャーアプリなどの新しいソーシャルメディアの特長は以下のように考えられます。

1、 自己表現のカジュアルシフト(面倒な文字から写真やスタンプ表現へ)

2、 過度のプライバシー管理の回避 (10秒で消える動画)

3、 仮想と現実の重なり合い (動き回る事による・・)

4、 イベント化 (行列も選挙も通勤も・・・・)

5、 時差型からリアルタイム型へ・・・・1日に200回も仲間と即、会話

6、 ながら・・・行動

7、 その他

 

 ツイッターが登場した時にも「時差型からリアルタイム型」への個人コンピューティングのスタイルシフトが叫ばれ、フェースブックは呟きを取り入れて防戦に成功しました。フェースブックフォンと言う武器は、今回の新しい個人コンピューティングの形の変化には対処出来るでしょうか?失敗するとフェースブック恐竜説は勢いをますでしょう。

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