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テレビのデジタル化がドライビングフォースとなり、全ての情報メディアが一旦、収縮する時代の羅針盤

スマート革命と文化革命、米国の美しい10代のフェースブックからの逃亡を阻止できるか、モバイル文化大革命!!

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<序文>

 日本ではミクシィの衰えと共にLINEが急成長し、一方米国では10代がフェースブックを見捨ててインスタグラムやスナップチャット、タンゴなどを選び始めています。上場企業に求められる年次報告(10k-Annual Report)の中ではフェースブック自身もそれをリスクとして認めています。簡単な写真や短い動画がスマートフォンなどからカジュアルさと美しさを求めて簡単にアップロード出来る仕組みですね。

 

 その背景にはスマート革命の進展(一人一台のパソコンから一人が七台のスマートデバイスを使い分ける時代への移行)があると言われています。

 

米国の10代と言えば13歳以上のティーンと12歳以下のツイーンに別れます。各種の調査によれば共にフェースブック離れが目立つようです。

 

一方フェースブックは「モバイルファースト」を合言葉に社員をブートキャンプに送り込んでWeb中心文化をスマートデバイス中心へと切り替え始めています。

 

 プラットフォームの土台が揺さぶられる中、フェースブックは衰退をはじめるのでしょうか?それともモバイル文化革命の成功で潮目を変えられるのでしょうか?

 

★★ 10k-Annual Report

 

★★ Why teens are tiring of Facebook

 

★★ Facebook CFO calls Instagram a 'formidable competitor'

 

★★Facebook: Teens might be so over us

 

★★Why Facebook Is Sending Its People to Mobile Coding Camp (And Not Just Engineers)

 スマートファーストを本気で掲げるフェースブック!!

Facebook_mobile

<出所:allthingsD>

 10代の若者に人気の6秒で消える動画スナップチャット!!

 軽いジョークも投稿が可能なカジュアルさが人気

Icon


 <出所:スナップチャット>

<10代がフェースブックから逃亡する訳>

 フェースブックは、米国10代にとっては、既に確立した世界であり、「複雑で使い辛い」「親の監視が厳しい」など「自己表現の自由」に制限があると映っているようです。カウンターカルチャー要素を持つ若者の感性には確立した世界の持つ制約、桎梏と感じるのでしょう。

 

またパソコンベースのフェースブックは、動き回りながらのカジュアル表現を好むスマートフォン世代の米国10代には、操作面でも非常に複雑で使い辛いと言う指摘もあります。これはパソコン文化に適合したフェースブックの仕組みがネックになっています。これは隕石衝突後の恐竜の運命と同じですね。古い環境に過剰適応した王者は新しい環境にはなかなか適応できません。(失敗学で言う成功体験への埋没、環境への過剰適応の負の側面)

 

一方インスタグラムなどは「自分の写真を簡単にアップできる」カジュアルさが受けています。またその延長線上に6秒動画のスナップチャットなどが好まれる傾向にあります。これに危機感を抱いたツイッターは6秒動画のバインを買収しました。ツイッターもまたインスタグラムなどの写真のソーシャルメディアに追い上げられています。

 

未確立で制約や桎梏が無く、自由なカジュアルな自己表現が出来る写真や簡易動画の新しいソーシャルメディアは、スマートフォン世代の米国の若者に受けています。そう視点からは日本のミクシィも古いパソコン文化の衣をまとっています。また既に確立された日記や140字の呟き、足跡文化を引きずるエスタブリッシュメントの世界です。(10代にはあの呟きすら既に古い文化と映るようです)

 

SnapChat

 

★★Twitter公式動画投稿アプリ「Vine」を発表

 

<日本のLINEとの共通点>

日本のLINEは物理的な毛繕い文化(人類学で言う閉鎖的なじゃれ合う関係)を背景に伸びていますが、米国のインスタグラムなどはツイッター型のオープン環境です。

但し、米国のタンゴは日本のLINEと同じ毛繕い型です。

一方は開放系、他方は閉鎖系の違いはありますが、共にポストPCコンピューティング時代の仕組みであり、10代の若者に好まれている点では同じです。

 

これが進めばフェースブックもツイッターもピンチと言う見方が次第に現実感を帯びて来るかもしれません。

 

インスタグラムを買収したフェースブックは存外「移住先の第二の地球感覚」で考えているのかもしれません。

 

<フェースブックのモバイル文化大革命は成功するか?>

 皆さんはCEOのマーク・ザッカーバーグ氏が「現状ではHTML5依存は非現実的、ネイティブアプリ軽視で我々は2年無駄にした!!」と叫んでスマートデバイス重視戦略を打ち出したのを鮮明に覚えていらっしゃると思います。

 

 昨年から既に3,500人のソフトウエアエンジニア(参加者の8割)とデザイナーなどが訓練を受けているとされるフェースブックの文化大革命(社員のメンタルモデルの変更)は、俗にboot campと呼ばれています。約40時間のコースですが社員は喜んで参加し、ネイティブアプリの作り方を学習します。

 

 そのお陰でフェースブックのネイティブアプリはかなり洗練されて来ました。特にグーグルのアンドロイドによるバラバラ化にも十分対応しているそうです。

 

果たしてフェースブックのモバイル文化大革命は成功するのでしょうか?

 

引用

“native code” — or programming language specific to iOS or Android — into the company’s thinking.

引用終わり

 


 

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