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スマート革命とアライアンス、何時まで続くグーグルとサムソンの嘗ての「ウインテル」のような蜜月関係!!

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<序文>

 スマート革命が進展する中で韓国のサムスンとグーグルの蜜月関係が注目されています。まるで嘗ての「ウインテル」のような同盟関係だと言う見方が有ります。ウインテルとは半導体のインテルとプラットフォームOSのマイクロソフトのWindowsが必ずパソコンにはモジュール部品として入っていたと言う同盟関係を言います。WindowsOSはインテルのCPUに対応したコードでプログラムが書かれていました。

 

アンドロイドOSを提供するグーグルとそれを使ったスマートフォンを売り出すサムスンの関係は、確かにそれに似ていると言う見方も成り立ちます。

 

しかしグーグルとサムソンの関係は、10年以上続いたウインテル関係ほど強固では無いかもしれません。

 

両社の蜜月関係は何時まで続くのでしょうか?

 

サムスンのスマートフォンの発表イベントが嘗のiPhone並みに注目を集め始めた今、興味が集まっています。

★★Samsung Sparks Anxiety at Google 

 

★★ Is the Samsung-Google alliance heading for a crossroads?

 

★★Amazon – The game change to the Samsung-Google alliance to topple iTunes?

★★Samsung executive says Windows 8 is 'no better than Windows Vista'

★★サムスン、早ければ7月にも「Tizen スマートフォン」登場 ドコモも年内に販売か

Samsungtizen

<引用元:http://smhn.info/201302-samsung-tizen-ntt-docomo>

 

<グーグルグラスの魔法と肩を並べる魔法使いサミー?>

アップルが故スティーブ・ジョブズ氏を失い、トップからの魔法の力が消えたと言われている今、何かワクワクすることをしでかすかもしれないと言う期待はグーグルとサムソンに移っています。

 

グーグルは凡そ暫くはお金の匂いがしない無人運転とかグーグルグラスを身につけて空中に身を投げるなどシリコンバレーの「魔法使いの神話」には事欠きません。グーグルは魔法で世界中の人々を魅了し続けています。

 

一方米国においてサミーと愛称で呼ばれて愛されているサムスンはどうでしょうか。

 

信じられない事に2013314日のサムスン、ギャラクシー4Sの発表イベントは、米国ではまるでアップルのiPhoneiPadの発表会のような扱いでした。イベントの前から人々が興奮して何かを待つと言う魔法を期待する嘗てのジョブズ氏のイベントのイメージでした。

 

特別の魔法は持っていないサムスンに対して明らかに「ワクワク感」が期待されています。

 

サムソンへの期待は寧ろアップルのトップであるテイム・クックCEOに対する魔法と言う面での失望感の現れであり、その反動かもしれません。米国の評価は結構、シビアでありクックCEOは魔法使いでは無いと言う評価が定着し始めています。(別にアップル時代がイノベーションを起こす能力を失った訳ではまだありませんが)

 

<アンドロイド市場の4割の占めるサムスンの不安>

 現在、アンドロイド市場の4割をサムスンが占め、第二位は7%の市場占有率を誇る中国のファーウエーです。

 

この4割の数字がサムスンとグーグルを共に不安にしていると見られています。

 

まずグーグルは前アンドロイドOSの責任者であったアンディ・ルビン氏が述べたように「アンドロイド市場の四割を一社が占めるのは不安だ」「アンドロイド市場全体を抑えられるのではないか」と言う不安があります。サムスンのアンドロイド市場シェアのこれ以上の成長をグーグルは歓迎していないと考えられます。

 

一方サムスンは以下の二点から不安を感じています。

1、 アンドロイド市場における追い上げ恐怖

 確かにCNETなどの記事が述べているようにサムスンはアップルの成功を参考にし、ある意味でそのモノマネをして勝利しました。しかしアンドロイド市場は、決まったモジュール部品を買いまとめてマーケティングを上手く実施すれば誰でも真似が出来る市場と見られています。中国ファーウエーや台湾HTCなどがサムスンの戦略を研究していると見られています。そうなれば早晩、追いつかれるでしょう。

 

2、 グーグルの低価格戦略

 またグーグルネクサス4などの低価格品も非常に気になる処です。

低価格品が売れ始めればサムスンの高い収益が吹き飛びます。また機器で稼げたとしてもアンドロイド市場に存在する限り、グーグルプレイなどのサービス売り上げはほとんどグーグルが持って行きます。

 

<新OSタイゼンはサムスンの保険なのか?>

 こう考えればサムスンとグーグルの蜜月=アライアンスはウインテルほど長くは続かないかもしれません。

その場合、新OSタイゼンはサムスンにとっての大きな保険=アンドロイドOSからの脱出用のパラシュートと言う見方が説得力を持ちます。一方サムスンはマイクソフトのwindows8は気に入っていません。ビスタと同じレベル=暗に失敗作と呼んでいます。("I think the Windows 8 system is no better than the previous Windows Vista platform.")

 

タイゼンはインテルとサムスンが開発リーダーですが、グーグルプレイのような市場をサムスンが作ってしまえば、ハードからサービスまでアップルのような稼ぎが出来る可能性があります。オープンOSのタイゼンは実質、サムスンが半分コントロールしています。

 

2010年代にはどうやらまだまだ大きな変化がありそうです。



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