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元証券アナリスト、前プロダクトマネージャー、既婚な現経営者が、日頃の思いをつづります。

シアトルの学校のIT事情:Forest Ridgeの場合

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Japan in the Shcoolのボランティアで、コーディネーターのあきこさんと一緒に、先週シアトル郊外にあるForest Ridge School of Sacred Heartを訪れた。ここは私立の女子校で、小学5年生から高校3年生までの一貫教育。Sacred Heartという名のとおり、聖心系のミッションスクールだ。

訪問したのは、6年生のクラス。この日は学年ごとに違う色の服を着てくることになっていて、6年生のみんなは緑の装い。一瞬今日はSt. Patrick's Dayかと疑った。

初めて英語のリード部分を担当するので、少し緊張したが、子供たちが無邪気に楽しむ様子をみて、こちらも楽しさにのめりこんでいった。小学校低学年用の給食エプロンは、発育の良い子たちにはちょっときつめだったが、それでも喜んで写真に納まっていた。

「算数は好き?」と尋ねると、何と3分の2くらいの子が手を上げる。感心して授業を終えた後、担任の先生が「それでは今日の宿題。教えてもらった『日本』という漢字を、正しい書き順で書いて、メールで送ってね。」...

良く見ると、机の上にはパソコンがあるだけで、教科書もない。先生がおっしゃるには、「授業はペーパーレス、教科書も宿題も、すべてパソコンにダウンロードするのです。先生の中には、OneNoteを使い、生徒のコメントも一緒にプロジェクターに映して見ています。」

Forest Ridgeのホームページには、

Forest Ridge School of the Sacred Heart was one of the first schools in the United States to participate in the "Anytime, Anywhere Learning" program through a partnership with Microsoft and Toshiba. (当校は、マイクロソフトと東芝とのパートナーシップを通して、全米でいち早く「いつでもどこでも学べる」プログラムに参加しました)

とある。さすが、マイクロソフトお膝元の学校らしい。こんな環境で育った子達が、将来いろいろな方面にイノベーションを起こしてくれると考えたら、何と頼もしいこと....

でも、学校のホームページにあるパソコン注文フォームをみて、ちょっと考え込んでしまった。入学と同時に購入すべきパソコンの代金、$1,897。学費に加えてこんな出費を無理なく行えるのは、アメリカでも富裕層に限られるだろう。いわゆるデジタル・デバイドの、持てる側を垣間見たのだった。

一方、来週訪問するのは、シアトル市内の公立小学校。こちらはどんな環境で授業をしているのだろう。単なるボランティア活動として始めたJISの学校訪問が、思わぬ方向に自分の興味を抱く結果になっている。

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