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技術や方法論から離れてビジネスを見る

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仕事柄、WEBでの情報はもちろんのこと、いろいろな雑誌を講読し、新刊のビジネス書にはほとんど目を通す必要があります。最近の流行は?と言えば「xx2.0」となってしまいます。どの媒体であっても「xx2.0」と書くことで、ある程度の読者層の興味をひきつけることができるからでしょうか、本、記事等ではかなりの確率で「xx2.0」の記事を見かけます。

で、内容は?と言いますと、すべてがすべてではないですが、基本的には技術と方法論、そして企業事例(それもほとんど重複)の繰り返しです。さしたるビジネス・モデルの変化も無いため、ある少数の事例を元に、現状から推測される方法論を展開し、それに技術エッセンスでコメントを加える、という形がほとんどの内容だと思います。特に、以前から存在する方法論やビジネス・モデルに、2.0と名をつけて、いかにも斬新に見せているものが多くあることには、注意が必要です。

技術論や方法論は、浅い研究でもとりあえずまとめて書くことのできる内容ですし、さらに読む側からしても解かり易い(使える気がする)ものです。しかし、その一方で、本質的なビジネス・モデルの変化や、または何も変化していない状況であることに関しての理解を妨げます。インターネットが急激に普及したときにも、その本質論を語ったものよりも、とりあえず方法論、技術論、事例が蔓延しましたが、その中で生き残っているものはごく少数です。

あくまでも、技術や方法論は本質的なビジネスそのものではなく、エネーブラーであったり、スパイスであったりするものです。特に方法論は後付(後知恵)で構築されるものです。「xx2.0」という言葉を一度忘れて、技術や方法論を排除して、ビジネス(およびビジネス・モデル)として何が変化し始めているか考えることで、戦略の方向性が見えてくるはずです。一度頭を冷やして物事を考えてみるとよいかと思います。

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