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職人(プロフェッショナル)の本質

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乱読傾向が強いこともあり、昨日はコミックスを買い漁りました。お気に入りの漫画の中に「大使閣下の料理人」がありますが、その文庫版の最新巻にとても惹かれる表現がありましたので引用させていただきます。

ある人からの指示で、あるビストロで料理を作っているおばあさんに会いに行った大沢(主人公:倉木大使お抱えの料理人)と先輩料理人が、あまりの美味しさ、奥深さにびっくりします。聞くところ、何十年も同じ生産者から同じ材料を仕入れて、同じ料理を作っているようで、おばあさんは「素材も毎日違い、毎日が新鮮で、新しい料理を作っている気分だ」という主旨のことを伝えます。それを聞いた先輩が大沢に言うとも独り言とも思える言葉を発します。

「同じ仕事の繰り返しの中にも創造性はある」

この言葉こそ、職人としてのプロフェッショナルの一つの本質を表しているのではないかと思います(いい言葉と思いませんか??)

「常に新しいことにチャレンジして、時代を先取りする」、「今までにないものを創る」ことも一種のプロフェッショナルだとは思います。その一方で、同じ仕事を昨日よりいかに上手くやるか、今日の状況でのベストを尽くす。日常の仕事を単なる流れ作業やいつもの手順で行う仕事という捕らえ方をしない姿勢は、まさにプロフェッショナルだと思います。

新しいことを追求する前に、今やっていることを誰にも負けないレベルに高めていく。単調な仕事、繰り返しの仕事の枠の中でも、常に新しい可能性を追求していく。決して満足しない。そんな姿勢を持って仕事には望みたいものです(自戒の念をこめて)。

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