書評　「世界最強CMOのマーケティング実学教室」

最近仕事でチームを組んでいる会社の方が、消費財のマーケティングではかなり優秀な方でいろいろ勉強させていただいていることもあり、また消費財系のマーケや戦略のお仕事もいろいろしているため、どうしても著者がCMOを勤めていたユニリーバ他の会社名に反応してしまいます。

そして、題名に惹かれてつい新刊を買ってしまいました。原題は”Lesson from Chief Marketing Officer”ですので、「おいおい、ちょっと意訳ではなく、飛躍だろう」とも感じました。

戦略論や経営論、さらにはセルジオ・ジーマンの著書である「そんなマーケティングならやめてしまえ」のようなドキュメンタリー風のものかと思いきや、体系だった既存の手法、その落とし穴、具体的な仕事のアプローチが懇切丁寧に書かれています。

実務としてマーケテイングを行っていると、行間が多く感じ「書きたいこと全部は書ききっていないな」と感じますが。これから、マーケテイングの仕事を行う人、もう一度方法論や手法を整理したい人にとっては、一種の教科書的な本になると思います。

特にリサーチ手法、数字の意味、視聴率、など、多くの人が失敗する（もしくは前例に倣ってまねをすることで、ミスリードを起こしている）箇所に関しても、実務的な経験則で書かれている部分などは、勉強になると思います。

教科書レベルはもういいやという人は、やはり辛口のジーマン本をお勧めします。私も、何度も読み返しています。