2012年は「Web×教育元年!」schooの森健志郎社長に会ってきました。
今、twitterやFacebookで話題になっているeラーニングの新サービスschooの森健志郎社長に先日会ってきました。
まだ、サービスが始まっていないこのschooですが、ソーシャルメディア上で若い学生やビジネスマンの共感を得て、リリース前で会員登録者が7700人を超えているそうです。何がschooの魅力になっているのでしょうか?
schooのコンセプトや魅力を中心に森社長にインタビューしてきました。
まずは、起業のいきさつですが、森さんはもともとはリクルートに所属していたそうです。リクルート=教育というイメージがありますが、彼は教育とは全く関係のない不動産サイトの「SUUMO」で広告ビジネス、コピーライターに従事していたそうです。その森さんがなぜ、畑違いの教育ビジネスに進出したのでしょうか?
キッカケはあのNHKの「ハーバード白熱授業」。少しブームからは遅いのですが、昨年の3月頃に「ハーバード白熱授業」の再放送を見て森さんはピンと来たそうです。普段から社会人の学びを意識していた森さんですが、FBやiPhoneアプリなどではなかなか満足できる学びのサービスには、出会えませんでした。そんなときに偶然、見たのがサンデル教授の「ハーバード白熱授業」!この授業は森さんにとって新しい発見にあふれていました。「ハーバード白熱授業」のような楽しくて、ためになる学びのサービスであれば、普通の人も苦痛を感じずに、楽しく勉強ができるのではと気付きを得たそうです。アメリカにはiTunes univのような、学びのプラットフォームがありましたが、森社長は楽しく学ぶために、あえてライブ感にこだわりたかったそうです。類似サービスは日本にはなかったので、森さんはリクルート在籍中にすぐに起業を決意しました。この森さんの起業までのスピード感は、ビジネスマンとして見習いたいですね。
そして、昨年10月にリクルートを円満退職して「WEBに誕生した、学校の新しいカタチ」をコンセプトに、新事業schooを立ち上げました。
今回、森社長にインタビューしていて刺さった一言があります。それは「世の中の社会人がみな学生で卒業しなければ面白い」というものです。日本の場合は大学を卒業すると、ビジネスオンリーで学びの時間が少なくなります。本当は学びたいのに、学ぶ方法が読書やセミナーなどの旧態依然の選択肢しかありません。WEBやソーシャルメディアこれだけ発達してきたのですから、ソーシャルメディア時代の新しい学びのカタチがあっても良いと思います。実際、入学試験も、年齢制限もないschooは学びたいときに、誰でもすぐに入学可能です。今、活躍している起業家やデザイナーの講師から授業をライブの映像配信によって、無料で受講できるのです。このお手軽感は、私のようなミドル世代にもとても助かります。若い世代だけではなく、誰もが卒業した後も学び続けていることを想像すると楽しいですね。
「面白くて、ためになる」学びのコンテンツを提供し続けるために、schooには11人の専門家やインターンが集まって、暗いと言われている教育ビジネスを明るく楽しいモノに変えようとしています。しかし、現状の社員は森社長一人で、教育関係者も関わっていません。これが逆にサービス開発の制約条件になっていて、面白さにつながっているのかもしれません。自分たちが受けたい授業を作り出すschooのサービス開発は、外から見ていても、とても楽しそうですね。
2012年は「Web×教育元年!」にしたいという森社長。
そして、それを競合のようなコンテンツ蓄積型にはしたくないと言います。それには以下の2つの理由があります。
1、コンテンツのまとめサイトならiTunes univに任せれば良い。
2、ライブ主義 ソーシャルの力を借りてみんなでわいわいがやがや勉強するサービスを提供したいのでライブ、リアルタイムにこだわりたい。
このライブ感、ソーシャルメディアを意識したschooの姿勢には共感します。schooがソーシャルリスニングでユーザーに受けたい授業を提供できれば、2012年が「Web×教育元年!」として今後、記憶されるかもしれません。
気になるのは、schooビジネスモデルですが、現状では特にないそうです。まずはschooを軌道に乗せて、いくいくは広告や新しいビジネスモデルを開発して行きたいとのこと。schooの収益は現状赤字ですが、schoo以外の広告ビジネスで収益を確保して行くそうです。また、「25歳WEBに社会人の学校を、つくっています」という森社長のブログに森さんのビジョン、意気込み、Q&A等が書かれていますので、詳細はこちらをご覧ください。
メンバー登録やログインはFacebookで簡単にできます。登録すると以下のような画面が現れます。本当に学びが楽しいモノに見えてきました。こういったユーザーインタフェースにも25歳のセンスを感じます。
また1月12日、明後日からローンチされますが、講師陣も授業を受けたい人選でソーシャルメディアで話題になる理由もよくわかりました。これなら本当に楽しく学べそうです。明後日スタートの授業がとても楽しみです。
今後の課題は満足のいく講師陣をどれだけ準備できるか?ソーシャルメディアからのユーザーのリクエストにschooがどれだけ応えることができるかなどがありそうですが、森社長なら解決できそうです。
このソーシャルメディア時代の新しい教育のカタチを提供しようとする森さんの心意気に、今回このインタビューで触れることができました。笑顔で楽しそうに事業の説明をしてくれたschooならびに森さんを今後、応援したいと思います。ソーシャルおじさん徳本も今後も卒業せずに、学び続けたいと思います!