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夏目房之介の「で?」

彦根と講演と明鶴

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平凡寺と我楽他宗ということで、どれだけ人が集まるか心配だったんですが、意外に部屋もほぼ埋まり、盛況でした。とくに、我楽他宗の一人、高橋狗仏寺のご親族の方々がこられたのは嬉しかったですね。息子さんが質疑に立たれて、十歳の頃の我楽他宗集会のことを話していただけました。
僕を呼んでくれた商工会議所の方は、実業家なんでしょうけども、まるきりそういう感じじゃない。まぁ、郷土玩具収集家で平凡寺の日記を解読したり、狗仏寺の収集品や強度玩具の展示をしたりするくらいだから違うのは当たり前ですが、非常に幅広い教養のある人で、話していてあきませんでした。前日に寄せていただいた料亭での小展示(平凡寺が狂喜乱舞しそうな秘宝館的なもの)も面白かった。豆に関する趣味の会もされていて、現代の我楽他宗でもある。

彦根は、とてもいい町でした。人口も少なく、地方都市の例にもれず景気は今ひとつの感が古い商店街には漂ってますが、古い街並みを再現したり「彦根城400年」イベントで色々やったり、かなりうまく町おこしをしているように見受けました。観光客は会期中に70万を突破するのではないか、とのお話でした。

ところで、講演会場のデパートの展示で日下部明鶴展をやっていて、いわゆる教科書的な明鶴じゃない、面白い書を色々見ることができました。全般にマジメな書ですが、若書きの屏風などは相当にヘンで、副島といっても通るかと思う、奇妙な回転のある書でした。
前日に彦根入りし、楽しい会合にも寄せていただき、最後はカラオケにもちょこっと行き、楽しい仕事でありました。ありがとうございます。

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