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夏目房之介の「で?」

声に惚れる

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そういえば、書こうと思いつつ、つい忘れてしまう話を一つ思い出した。
数ヶ月前、五反田のあゆみBooksという本屋に夜いったとき、カウンターからものすごくきれいな売り子の声が聞こえた。ひょっとしたらプロの何か声の仕事をしている人なのかもしれない。それにしても、うわーきれいだなーと思って聞きほれてしまうような声だった。通りがいいので、棚で本を見ていても聞こえるのだ。キャッシャーにいったら、30代かなという小柄な女性で感じがよかった。「素敵な声ですねぇ」といいいそうになったが、さすがに唐突なので思いとどまった。が、もう一度目の前で声が聞きたくて、もう一冊本をもって並んだら、残念ながら隣の人に当たってしまった。まぁいいや、またくれば・・・・と思って、その日以来何度かその本屋にいくのだが、あれっきり会わない。
声に惚れるなんて、これまで無いので、何か残念。もう一回聞きたいなぁ。

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