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夏目房之介の「で?」

映画『ジェネシス』

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というのを借りてきて観た。2005年のスウェーデン映画。
ストックホルムで退廃的な生活をしている、どこか壊れた青年が、突然アクションSFファンタジーっぽい「追う、追われる」世界に飲み込まれ、ドラッグの幻覚めいた世界と往還し始める。やがて、コミックの世界からきた戦うヒロインから彼が託された箱を巡って、自らのトラウマをさぐる記憶の旅が始まる。
期待してなかったのだけどなかなか面白かった。設定やストーリーは珍しいものではないけど感覚が新鮮だったのかな。日本のゲームや日本語、主人公の借りたDVDの中に『AKIRA』があるなど、ところどころに日本の「サブカル」系の情報が埋め込まれていて、何らか、そういう文脈で「日本」が関係してるんだろうと思わせるけど、映画成立の情報がないので、よくわからない。
たぶん『エヴァ』なんかとも似た主題をもってるんだろうけど、「終わらない」という結末をちゃんと着けられた分、「健康」なのかな。あるいは作品を作るってことの強度の違いなのか。DVDのパッケージはすっげぇダサいんだけど、観ても損はないよ。いや、興味ない人は観なくていいけどね、別に。

※TVで『ブレイブ ストーリー』というアニメをやってたが、技術的にどうこういう以前に、倫理感つうか価値観つうか、あまりに薄っぺらで・・・・。これで感動しちゃう子もいるのかなー。いるんだろうなー。ひさしぶりに「子供だまし」という言葉を思い出したよ。

『サウンド オブ サンダー』というSFも借りて観た。ブラッドベリ原作のタイムパラドックス物。話はともかく、まるでパルプマガジンの未来都市イラストみたいな古典的な「未来都市」描写がしびれた。ソフトかぶった人たちと高速道路とビルと未来派みたいなクルマ。

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