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夏目房之介の「で?」

TVドラマ「メッセージ」

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 資生堂やレナウンの「イエイエ」シリーズ、石油会社の「車はガソリンで走るのです」のCMで有名だった杉山登志を主人公にしたドラマ(TBS 9:00~10:54)だった。http://mbs.jp/message/
 杉山は、天才的で、こだわりのCM制作者。1973年、38歳で自死。
 「リッチでないのに リッチな世界などわかりません
 ハッピーでないのに ハッピーな世界などえがけません
「夢」がないのに 「夢」をうることなどは・・・とても
 嘘をついてもばれるものです」
 ・・・・という遺書の文面が話題になった。当時23歳の僕は

記事を読んで、何かあまりにもナィーブで「CM作ってて、どうなの、それ?」って感じたのをおぼえている。時代の変わり目に大きな矛盾を抱えた人だったんだろうね。それに今となれば自死の理由なんて、本当は誰にもわからないから、簡単にいえないぐらいはわかるけど、その頃は遺書の文面がセンセーショナルに報道されたことに反撥もあったんだと思う。
 でも、たしかに彼のCMは群を抜いて素晴らしかった。今回のドラマでも、ドラマ内にCMが流れたが、凄い、と思ったな。というか、ドラマがドラマ内のCMに食われてしまうという、ちょっと面白い現象を見ることができた。仕事しながら観たので、ちゃんと観てはいないが、それでも目をひかれるのはCM部分なのね。
 とはいえ、杉山登志の弟の現在を演じた藤竜也はよかった。内山理名も嫌いじゃないし。それでもやっぱりCMの画像と音に力があったんだなぁ。

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