まるで自然の造形物のようなアートに浸った日
今週月曜日の昼下がり、銀座で行われているある作品展に行ってまいりました。
その作品展は、銀座一丁目にある、古いビルの3階と地下1階で行われていました。
展示されていたのは、アルミニウムを素材に使い、織物として縫って制作された「ファイバーアート」と呼ばれるアートです。
作品は数メートル規模のものから数十センチ程度のものまで多種多様。
大きなサイズの作品が多いのですが、しかし一方でそれぞれの作品に目を近づけると、細部にまで力がみなぎっていることが感じられます。
「神は細部に宿る」という言葉が頭に浮かびました。
作品に浸りながら、ふと山を登って森を歩いている時の感覚を思い出しました。
爽やかな空気に浸りながら森を歩いていると、「これは見事!」と思えるような、木の皮などの自然の造形物に出会うことがあります。
作品から受ける印象は、まさにそのような自然の造形物から受けるものと同じなのです。
会場となるビルは、築83年になろうとする古い昭和初期の建物です。
部屋の古いコンクリートがむき出しになっている白い床や壁の質感と、暖かい銀色を主体とした展示作品が溶け合い、会場となる空間全体が作品のメッセージを出しています。
作者の方にお話しを伺ったところ、「作品とのマッチングを考えてこの会場を選んだ」とのこと。
実はお花を持って行ったのですが、展示会場に入ってすぐに「この空間に、花は飾れないな...」と思いました。それほど完璧に空間全体がデザインされていたのです。(幸い作者の方は、快くお花を受け取ってくだいました)
作品は、それを納める器となる会場と一体となることで、メッセージ性を持つのですね。
アートの世界に浸るのは久しぶりの体験でしたが、よいひとときを過ごすことができ、幸せな時間でした。
この作品展は、今週8月30日(土)まで銀座で開催されています。もし今週、銀座でお時間ができたら、お立ち寄りになってはいかがでしょうか?
場所は銀座1-9-8にある奥野ビル。
3階にある「巷房1」と、地下1階にある「巷房・階段下」で行われています。
田坂 須美子 展 elegant control system
(ちなみに作者の田坂須美子さんのサイトはこちら)