「上司に文書を破られた経験ありますか?」ビジネス力は文章力。では、どうすれば文章力がつくか?
日経ITProで、谷島 宣之さんが、「上司に文書を破られた経験の有無」という記事を書かれています。
---(以下、引用)---
ソフトウエアの世界に限った事ではなくて社会人全体の文章力が落ちている。原因は企業の現場で文章指導を止めたことだとみている。ある銀行の幹部に『文章 を書けない人は仕事で苦労するし周囲に迷惑をかける』と持論を説明したところ『まったく同感』と言われた。その方は若い頃に支店長から厳しい文章指導を受 けそれが『今の自分の財産』だと話していた。融資の稟議書を支店長に提出すると『こんな文章で金を貸せるか』と怒鳴られ稟議書を目の前で破かれたという」
--(以上、引用)--
全く賛成で、「ビジネス力は文章力」だと実感します。
そして最近感じるのは、この記事に書かれているように、ビジネスパーソンの文章力が全体的に低下していることです。
何を言いたいのか、分からない文章、多いですよね。このことは、ビジネスでとても大切なコミュニケーションを様々な場面で妨げてしまいます。
こちらに書きましたように、私も20代の頃に、文書を破られた経験こそありませんが、上司にかなり文章を鍛えられました。それは今、実に大きな財産になっています。おかげさまで、本もかけるようになりましたし。(笑)
「社会人全体の文章力が落ちている」というのは、谷島さんの記事や、私の若い頃のように、若い頃に文章を鍛えられた経験がないためなのかもしれません。
その要因として、じっくりと先輩が教える時間がない、という環境の問題もあるのかもしれません。
また文書を破かないまでも、勇気を持って叱る先輩がいないこともあるでしょうね。
しかし、では、先輩が何とか時間をやりくりしてじっくり教えれば解決するのか、というと、問題はそんなに簡単ではないと思います。
たとえば、私も何回か仕事の場で、あまりこなれていない文章について、後輩の方にいろいろと指摘させていただいたことがあります。
しかし「だったら永井さんが好きなように直してください」というように言われたりします。でもそれではいつまで経っても、文章はよくならないですよね。…ちょっと違うのかな〜、という気がします。
こんな状況でやっても、反感を買ったり逆恨みされる割には何も生み出しませんし、結局逆効果なので、最近はあまりしないようにしています。
まぁ、私の言い方の問題なのかなぁ、と反省していたりしています…。結局、現代は本人の気づきの問題になるのですよね。
たぶん、そのようなことがいろいろな職場で起きていて、結果的にご本人に厳しいことを言う人はいないくなっています。それはある意味、ご本人の将来にとっては、とても厳しいことなのかもしれません。
このような状況を考えると、今の世の中は、「文章力を上げなければまらない」という問題意識を持った人が、自分で鍛えていくのが現実的なのかという気がします。
そのことが結局、自分のビジネスパーソンとしての仕事力と価値を高めるからです。
ただ、文章というのは、自分一人だけしか読まない日記のような文章をいくら書いても、不思議となかなか上がらないのですよね。
第三者の目に触れる文章(それも、「美味しかった」「楽しかった」というような感想文ではなく、起承転結のロジックが分かる文章)をできる限りたくさん書くことが、文章力を上げる近道だと思います。
幸い、現代はブログなどで自分の文章を発信することができます。
このように考えると、ビジネスブログを書くという行為は、意外と、文章力を上げてビジネス力を上げる近道なのかな、という気がします。(できれば実名で書くといいのかと思いますが、これは個人によっていろいろな状況があるでしょうね)