"The World Is Flat"が示す、グローバル経済の変革
昨年、"The World Is Flat: A Brief History Of The Twenty-first Century"という本が米国で出版されました。
まだ日本語訳は出ていませんが、Amazonの米国サイトではTop Sellersに顔を出しています。(2006年3月8日現在) 日本でも話題になり始めているようです。
この本は、ニューヨークタイムズのThomas L. Friedmanというジャーナリストが執筆しました。Friedmanは、現代のグローバル経済で起きている変革を明快に記述しています。
本書のタイトルは、「世界は丸い」と言うコロンブスの言葉を現代風に言い換えたものです。
1492年、コロンブスは米国大陸に上陸し、帰国して国王に「世界は丸い(The World Is Round)」と報告しました。
512年後の2004年、米国人のFriedmanはインドに行き、グローバル経済が完全に水平に繋がっている、つまり「世界は水平である(The World Is Flat)」ということに気がつきます。
本書の中で、Friedmanは世界がフラット化した要因を10個挙げています。
1. ベルリンの壁崩壊
2. ネットスケープのIPO
3. ワークフロー
4. オープン・ソース
5. アウトソーシング
6. オフショアリング
7. サブライチェーン
8. インソーシング
9. インフォーミング
10. ステロイド
Friedmanは、上記10個の要因が複雑に連携しあって世界経済のフラット化がこの10年余りで急速に進展してきた、と語っています。
確かに、本書を読むと、世界で別々に起こっているように見えた出来事がいかに関連しあって、現在の姿に至ったのかが分かります。今後の社会やビジネスを考える上で、これらの動きを理解することは重要だと思います。
次回から、この10の要因を見ていきたいと思います。