紹介営業もいいけどそれよりドブ板やろうぜ
こんばんは! 走る社長、貫洞です。
前の記事「秋葉原で絵を売っている人の販売術」を書いていて、ふと考えました。
(※秋葉原で綺麗なお姉さんが猛烈な勢いでキャッチセールスをし、凄まじいセールストークでクロージングし、高額な絵画を販売する、というビジネスについて書きました) この場合、なぜ商材は絵なのか? これだけの販売力があるなら、車だって家だって売れるじゃないか。
その答えは「絵の世界は間口が狭いから」です。
そもそも絵画、美術作品、音楽(オーディオ含む)などの業界では、詳しい人たちがコミュニティ化していたり、店の常連となったり、なかなか一見には入りづらい世界です。「ちょっと絵っていいかも」と思っても、いざお店に行ってみたら、一見だからか全然話しかけてももらえない。そういう経験をすると、その人はその世界のドアを開けられません。もちろん、その程度であきらめるような「ヤワなファン」はお断りなのかもしれませんが。
翻って、業界自体が敷居を高くした事が原因で、ふだん絵に接することの少ない若者層が画商ではなく「そういうお店」で絵を買う事態が起きている、これが事実なわけです。
この状況を打破するには、まず「絵に触れるきっかけを作る」フックの部分をもっと増やす事が必要です。そして、いわゆるホンモノの画商の中に、一見さん担当のご案内係を置くとか、身内で固まって喋らないようにするとか、オープンな場所で絵に親しんでもらう他無いと思います。
さて、いよいよ「情報が欲しい時に欲しいだけ取り出せる世の中」です。今は、SNSやキュレーションの上手な人がドヤ顔をしていられる時代ですが、もうすぐそれも「当たり前」になります。どれだけネットに注力しても、自分という存在をアピールしづらい時代が来るでしょう。(怖っ)
情報があふれたら、人の動きは今とどう変わるでしょう?
・仕事の発注先を決める時にネットで比較するのは当たり前
・紹介してもらう業者さんだと何かあった時に文句を言いづらい
上記のことから、人は「タイミング良く連絡をくれたり、いつも感じの良い営業マンに頼む」のではないかと私は考えています。
最後は人です。だから、今こそ声を大にして言いたいです。
紹介営業とか仕事の回しあいとかやめて、とりあえずドブ板やろうぜ!
人が、企業が新規顧客の開拓をやめたら、ドブ板ができるどっかの業者に「浮動票」を全部持っていかれますよ。
お店ならば、一見さんなりのもてなし方をある程度覚えておくべきです。常連さんをもてなすのと同時に、一見さんにとっても居心地の良い空間を作って、「常連さん予備軍」を小さくストックしていく。その積み重ねが後々効いてくるのだと思います。
そして、ドブ板ができる人は、実は常連さんに対しても深い感謝の念を持って接するので、最終的に洗練された接客・営業ができるはずです。
...それにしても「ドブ板営業」って、もっとおしゃれな呼び名に変えられないものかと今日も考えてしまいます。