"What Android is to smartphone operating systems, we want OpenStack to be for the cloud,"
「AndroidがスマートフォンのOSとして達成しようとしている事を、OpenStackはクラウドで達成しようとしている。」
IT 業界の歴史において、ハードウエア仕様、通信プロトコル、OS仕様、等が業界標準化されていったように、IaaSインタフェースもいづれはCommodity化さ れる運命にある、という事を業界は以前から予測している。 Android OSがiPhone OSの牙城を切り崩すためにオープンソフトウェアのモデルを採用したのと同じように、Rackspace社が狙っているのはOpenStackを武器に独自仕様のAmazon Web Serviceの市場をきり崩そう、という事ではないか、と考えられる。 
もう一つ、Moorman氏がコメントしている事が非常に興味深い。

"We were forced to invest in the (cloud) platform, whether through buying or investing in development resources,"
「我々は、強制的にクラウド事業に対する投資を強いられた。」

また、さらに、

"We want access to technology, not to create technologies,"
「我々のビジネスモデルは、技術を利用する事によって付加価値を生む事であって、技術を作る事では無い。」

これは、クラウド事業に取り組んでいる、日本のITメーカー、SI事業者、ホスティング事業社全般にも当てはまるジレンマなのでは無いか、と想像される。 Rackspaceがサービスを提供するが主事業であるホスティング事業者であることを改めて思いだす必要がある。
という事であれば、OpenStackは非常に有用なソリューションの一つとして考慮すべき、と思うところである。特に、IaaS事業者はこれからますますCommidity化する技術の上でビジネスを展開する必要があるため、ほぼ無償で、標準化されたプラットホーム技術を採用するのは、至極当然の動きになるのではないか、と思われる。
少なくとも、今からAmazon対抗のクラウド事業にインフラをゼロから開発し、ましてや高額なライセンスフィーを要するVMWareをベースに開発する、という計画はあまり現実的な解では無いのでは、と思うところである。