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リーダーシップ=さらなる居心地の悪さを抱えること

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クレイア・コンサルティングの調です。こんにちは。


Harvard Business ReviewのHBR Blog Networkにおいて、2030年のリーダーのあり方に関する記事が掲載されています。


Leadership Is About to Get More Uncomfortable
http://blogs.hbr.org/2014/07/leadership-is-about-to-get-more-uncomfortable/


著者はGeorg Velmetter氏とYvonne Sell氏の2人で、当社の競合にもあたる、Hay Groupの欧州の幹部の方々。


当社は同社の競合でもありますが、


The combination of digitization with globalization and consumer demands for personalized products will complicate the usual processes and relationships. Competitors will be recast as allies, as rival companies will have to work together to achieve more complex technical innovations.

グローバル化、デジタル化と個別最適化を求める消費者の要求の高まりによって、これまでのプロセスや関係性は一層複雑になってくる。競合も協力者へと変貌し、ライバル企業同士がさらに複雑なテクノロジー上のイノベーションを達成するために協働するようになるだろう。

とのことで、たまにはよしとしましょう。



6つのメガトレンド


著者曰く、2030年までに6つの大きなトレンドの変化が訪れる、とのこと。

140703_L2030.png



  • Globalization 2.0 / グローバル化2.0
  • Environmental crisis / 環境危機
  • Individualization and value pluralism / 個別化と価値の多元化
  • The digital era / デジタルの時代
  • Demographic change / 人口動態(デモグラフィック)の変化
  • Technological convergence / テクノロジーの収斂


これらのトレンドに組織として対抗していこうとするときに、リーダーにはどのような資質が求められるのか。



リーダーをとりまく風景


この記事は、昔は名前や顔、評判くらいしか知られていなかった会社の幹部が、いまや情報公開やSNSなどによって年収や住まい、性格などまでわかってしまう時代になっている、という一文から始まっています。そして、

And along with this increased transparency, you're held accountable for areas you know less about: new technologies, new markets, new cultures and geographies representing new stakeholders. It's no wonder CEO tenure is declining.

そしてこの透明性の増加とともに、自分があまり知らない分野に対しても何らかの責任を持つようになってきている。例えば新しいテクノロジーや市場、新たなステークホルダーの登場による新たな文化や地理などの分野だ。したがってCEOの在職期間が短くなっていることもさほど不思議ではない。

と、昨今のリーダーをとりまく環境が非常に厳しいことを説明しています。


先ほどの6つのメガトレンドのうち、4番目のデジタルの時代の到来に伴う変化は以下のように説明されています。


Technology alone offers several sources of discomfort. Leaders will increasingly be called to evaluate and implement new technologies they don't always understand and can't control, from the cost-benefits of data automation to balancing consumer concerns with data mining opportunities to gauging the commercial value of bitcoin and other new concepts. As connectivity-enabling technology and virtual workplaces change how people interact, leaders must engage employees across cultures and business roles through new mediums. Leaders must acquire digital wisdom, even if they lack digital knowledge.

テクノロジーだけでも様々な不愉快さをもたらしてくれる。リーダーは彼らがたいてい理解できずコントロールも出来ない新たなテクノロジーについて、評価して導入するよう求められることが増えていく。データオートメーションのコストやベネフィットに始まり、顧客の不満とデータマイニングによって生まれる商機とをバランスさせたり、ビットコインやその他の新しいコンセプトについて、その商業的価値を測定したりといった具合だ。より人と人とのつながりを促進するテクノロジーやバーチャルオフィスによって人々の交流の方法にも変化が訪れるため、リーダーは文化やビジネス上の役割が異なる従業員を繋ぎとめるために、新たなメディアを使うことになるだろう。たとえデジタルに関する知識を持っていなかったとしても、リーダーはデジタルに関して判断を行うための見識は持ち合せねばならない。

もはや日々の細かいトレンドには付いていけないとしても、それぞれのデジタル技術がどういう目的でどう使われ、それがビジネスをどう変えていくことになるのか、表層的でない深い洞察が求められてくるようです。


議論はこの後、指示型のリーダーではなく非中央集権型(altrocentric)リーダーが求められる、と続いていきます。この部分は、なぜこういうリーダーが必要になるのか、という理由付けが弱い印象があります。興味のある方は、続きをお読みになったり、Kindle等で序章を読まれると良いかと思います。


ご一読ありがとうございます。



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