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「その提案は以前と比べて何パーセント?」という質問にどう答えるべきか?

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先日、とあるお客さんの所で、以前から運用しているシステムのリプレース提案をする機会がありました。

このお客さんのメイン担当は僕ではなく社員のUさんなので、僕は基本的にあまりしゃべらずに脇に控えて、提案の内容を聞くだけの立場で参加です。

Zen Sculpture
Zen Sculpture / pedrosimoes7

提案する新しいシステムでは、これまで運用していた物理的なサーバーを、仮想サーバーをレンタルする方式に変更して、コストを抑えます。しかしコストを抑える代わりに、安全性設計の自由度は下がります。

その不自由さを抱えつつ、どのように安全性を確保していくかが、提案の肝になっていました。

真剣に提案を考えた甲斐もあって、彼はお客さんの細かい質問にもきちっと対応しつつ提案の説明を進めていきました。しかし、バックアップの提案を聞き終わったお客さんから、不意に「で、この提案は以前の方法に比べて何パーセントの安全性なんですか?」という質問を投げかけられました。ごまかしの効かない、ズバリ直球の質問です。

僕はどう答えるかなー。と興味深く見ていたのですが、けっこう回答に苦慮している様子だったので、申し訳ないけれど途中で質問を引き取って「この提案の内容を全て実施した場合は、以前と比べて100%の安全性があると考えます。」という意味の回答を行いました。

自己採点を求められているようなもの

お客さんは、多くの場合システムの専門家では無いですし、打合せの時間も限られていますから、短い時間で理解できる専門家の「要約」を求めています。その要約を引き出すための質問として「何パーセントなのか?」という質問は実に効果的です。これは我々に、自分達の提案の自己採点を求めているようなものと言えるでしょう。

また「何パーセントか?」という質問の場合、多くの場合数字(パーセンテージ)そのものにはあまり意味がありません。例えば「90%」という回答は単に100%でないというだけです。

提案を考えてきたのがこちらである以上、論理上どうしても100%に出来ない状況でない限り、提案に100%の解決策が含まれていなければ、内容が不十分だと言われても仕方がありません。

どう回答すべきか

しかし、100%を求められるからといって、何でもかんでも100%では逆に信用を無くしますし、要約ではなく単なる「不正確な情報」を伝えてその場をごまかす事も良い対応とは言えません。

ですから、説明の際には「100%であるための条件」を正しく提示する事が大切だと思います。

先ほどの話で言えば「以前と比べて」という条件で安全性の範囲を「以前のシステムとの比較」に限定し「全て行った場合は」という条件を付けて、自分達の提示したプラン(実際には3段階の提案でした)のうち最もコストのかかる提案の場合のみ100%と、範囲を絞り込んでいます。

後はコスト対効果の見合いでお客さんに適切なプランを選択してもらうだけです。

躊躇しなくていいと思う

誠実に一生懸命取り組む人ほど、自分の提案に自信があったとしても、「何パーセントなんですか?」と聞かれた場合に、100%と言うことを躊躇する傾向があるように思います。

しかしきちんと考えぬいた提案であれば、正確に条件をつけた上で100%と言うことが、よりお客さんにとって誠実であったりします。

改めて書くほどの事では無いかも知れないですが、真面目な若い人向けには意味があるかも知れないので、直球の質問を受けた場合の考え方のひとつとして残しておくことにします。


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