こんなに安くていいの?SNSで上手に集客する最近の写真撮影ビジネス
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初めて子供の記念写真を撮る、となった時にまっさきに思い浮かぶのは「スタジオアリス」という写真館です。スタジオアリスは大型のショッピングモールやトイザらスなんかにも入っているので、ご存知の方も多い事でしょう。
僕もここで長男のお食い初め写真をお願いしましたが、笑顔を引き出すスタッフの技術や、その瞬間を捉えるための機材の充実は、さすが子供専門だけの事はあると感じさせるものでした。
しかし、正直悩まされるのは「データ」の取り扱いです。スタジオアリスの場合は撮影料金と衣装は無料ですけれど、現像(印刷)した分しか写真のデータはもらえません。
撮影料金が無料な分、別の所に料金が乗ってくるのは当然とはいえ、大量のデジタルデータを所有する事に慣れてしまった現代人としては少々物足りなさも感じます。そんな折、妻がMixiの口コミで持ってきたのが「子供写真撮影会」の話です。
こんなに安くていいの?
これはプロのカメラマンが近所の公園にやってきて、子供の出張撮影をやってくれるというイベントなのですが、驚くのはその価格設定。約1時間で3,000円。安い!猛烈に安いです。
今回の撮影会は「お試し」と位置づけられるものなので、安価な代わりにもらえるのは5枚分の写真データだけ。「お試し」ではなく本格的な出張撮影を依頼した場合は全ての写真データをもらえるようで、こちらもかなりリーズナブルな価格設定です。とりあえず「お試し」をお願いしてみました。
撮影の時間帯は我々1家族だけなので誰に気兼ねするでもなく、公園をうろうろしながらパシャパシャと子供の写真が撮られていくのをながめるだけです。その光景は、何となく知り合いのカメラマンに子供を撮ってもらっているような感じで親近感が湧きます。スタジオでなく屋外であるところも、そんな感覚になる原因かも知れません。
そうして撮影後10日くらいで、写真が送られてきます。
おおー。さすがプロっぽい感じです。
このお試し撮影、1日に5組くらい対応するようなので、恐らく主催者側にとっては15,000円程の売上になるのでしょう。そこから、撮影後の写真の現像費、郵送の手間と送料、画像のピックアップとCDに焼く時間と手間を考えると、利益としては厳しそうです。
しかし、こうやって撮影会という楽しい体験を共有する事で、我々にとってこのカメラマンさんはまさに知り合いのような、特別な存在となります。七五三や幼稚園の入学といったイベントの際には有力な候補に上がってくる事は間違いありません。
できるだけ固定費を減らして損益分岐点を引き下げ、安価なイベントをキーにSNSで集客を行い、「ファン」として確立した関係性をそのまま生きる糧にしていく感じは、最近のサロンビジネスとか、ライブが収益の柱となりつつある最近の音楽ビジネスとかと同じく、新しい経済を感じさせるものがあります。
子供向け写真ビジネスの大きなシェアを掴んだスタジオアリスのビジネスも非常に興味深いですが、まさに対局とも言えるこの新しい、小規模なビジネスも、とても面白い、注目すべきビジネスだと感じたのでした。
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