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畑づくりから徹底的に拘る焼酎づくりがプレミアムを生む

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数年前の焼酎ブームでは、森蔵などのプレミアム焼酎が一本3万円で取引された。今では、さすがにブームも落ち着いて半分の1万5千円位が相場だろうか?それにしても、焼酎1本が1万円以上するのには驚かされる。森蔵と同じくプレミアム焼酎で知られるのが、皇太子殿下のお気に入りで知られる「百年の孤独」である。

私が尊敬する経営者の紹介で、宮崎県にある黒木本店に訪問し、黒木社長自らご説明つきで、焼酎づくりの工程を半日掛かりで見せていただいた。焼酎造りの工程の、きめ細やかな管理は、感動ものであった。以前からある黒木本店と併設する製造所も素晴らしいが、黒木本店からかけ離れた山奥にある尾鈴山蒸留所は、黒木社長の拘りの蒸留所だ。ヨーロッパのウイスキーづくりを視察に行った際、人里離れた山奥で作られていることから研究してつくった蒸留所であるが、その施設の一つ一つに込められた拘りは、“正直、ここまでやるのか・・・”といったのが素直な気持ちである。さらに、共感するのは、畑を買い取り、焼酎造りの過程で発生した廃棄物の処理をしっかり土にかえす循環型の焼酎製造を実現していることだ。

確かに、ブランディングを考えるとき、単に製品だけでなく、その製品を作る姿勢は非常に重要だが、あまりの細部への拘りにすっかりファンになってしまい、私自身も黒木本店がつくるブランド以外の焼酎を飲まなくなってしまった。

同じ焼酎にラベルだけを変えて発売するといった焼酎メーカーとは無縁で、「百年の孤独」以外のブランドも一つ一つ個別の特徴を出している。まさに、芸術品!

収益を一番に考える焼酎メーカーには、絶対にまねができないものがここにはある。また、業績の方も焼酎ブームが去った後、経営が苦しくなるところが多い中、長年に渡り、10億以上の経常利益を上げている超優良企業である。

そうした黒木本店も、ずっと、順調に来た訳ではない。特に、「百年の孤独」がヒットした後は、ブームが落ち着いた後は、不安で仕方が無かったそうだ。そのため、中々野うさぎの走り山ねこ山猿山翡翠(やませみ)を出し、それぞれのブランドを、プレミア価格で取引されるヒット商品に育てた。

黒木社長が、マーケティングの考え方として大切にしているのは、売れたからといって、むやみに販売量を増やそうとしないことだ。新潟の越の寒梅は、一時期大きなブームとなったが、量産した後、残念ながらブランドは崩れてしまった。同じく新潟の久保田は、今後どうだろうか?新潟の久保田の場合、お酒に自らランク分けすることにより、リスク分散をしているが、それでも、あまり大量生産してしまうとブランド価値は低くなるだろう。

黒木社長は、ブランド形成ができない同業の焼酎メーカーについてアドバイスし、黒木本店と同様にブランディングに成功させている。その焼酎は、お酒造りにおいては、水が有名といったような好条件の地域でないが、それでも、あえて他の地域に展開せず、その地域でしか買えないようにしたことが成功の秘訣だという。

歴史の長さからいったら、黒木本店より長い歴史がある焼酎メーカーもあるだろう。しかし、以上のような取り組みによって、短期間にプレミアム焼酎を次々を育てた黒木社長のブランディング、マーケティング、経営には学ぶことが本当に多い。

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