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ソーシャルメディアからのトラフィック、ニュースサイトにとってどの程度重要?

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AOLとニールセンが共同で行った調査によると、ソーシャルメディアに投稿されるメッセージのうち23%に何らかのコンテンツ(外部の記事や写真、ビデオなど)へのリンクが含まれているそうです。つまり4回に1回は「これ見てみなよ!」という紹介が行われているわけで、それだけソーシャルメディアがトラフィックの源になり得ることを示していると言えるでしょう。実際、マーケティングの観点からSEOだけでなくSMO(ソーシャルメディア・オプティマイゼーション)にも注目すべき、という主張が数年前から聞かれるようになってきています。

それではソーシャルメディアからのトラフィックはどれだけ重要になっているのか。米国内のニュースサイトを対象にした調査報告書が、Pew Research Centerから発表されています:

Navigating News Online: Where people Go, How They Get There and What Lures Them Away (Pew Research Center’s Project for Excellence in Journalism)

報告書はまず、ニュースサイトの多くが「カジュアル」なユーザー、つまり定期的にそのサイトを訪れるのではなくごくたまにやって来て、短時間サイト上に滞在して去っていくようなユーザーにトラフィックの多くを依存していることを指摘しています。つまりそういったユーザーにどうやって自分のサイトをアピールし、少しでも多く訪問してもらうかが重要な問題になっているわけですね。

では外部からのアクセスを生じさせるものとして何が重要なのか?という点ですが、報告書によれば、依然としてGoogleが大きな存在であるようです。メジャーなサイトの多くが、訪問者の20~40%をGoogle経由で得ているとのこと:

PEJ_Research

このグラフの縦軸はトータルの月間平均訪問者数、横軸はその中でGoogle経由の訪問者が占める割合を示し、円の大きさがGoogle経由の訪問者の量を表しています。Yahoo NewsやMSNBC、AOLといったGoogleには頼らないサイトがある一方で、多くのニュースサイトが20~40%の間に存在していることが分かりますね。

ではソーシャルメディアはどうなのか。報告書では、予想通り(?)Facebookの影響力が増してきていることが指摘されています。同じように主要なニュースサイトへのアクセスを見てみると、Googleの場合ほど顕著ではありませんが、6~9%程度のアクセスをFacebookから得ているサイトが出てきています:

PEJ_Research2

最近Facebookは、報道機関の関係者により積極的に活用してもらうことを目標として、様々な活動を行っています。実際に報道機関によるFacebook活用の例が目立つようになってきていますし、この数値が上がっていくことは間違いないでしょう。

そしてTwitterは?というと、意外に思われるかもしれませんが、Twitterは米国内のニュースサイトに関して言う限り、トラフィックにほとんど影響を与えていないことが指摘されています。例えば主要なサイトで見ると、Twitterからの訪問者の割合は以下の通り:

  • ロサンゼルスタイムズ 3.53%
  • ニューヨークタイムズ 1.21%
  • ニューヨークポスト 1.2%
  • ハフィントンポスト 1.16%
  • ワシントンポスト 0.82%

Twitterは米国内のネットユーザーの10%程度にしか使用されておらず、相対的に低い影響力しか持っていないようです(とはいえ前述のようにFacebookも1桁台なので、顕著な差があると見るかどうかは微妙なところですが)。

逆の意味で日本人にとって意外に感じられるかもしれないのが、あるサイトの存在です。そのサイトとはドラッジ・レポート(Drudge Report)。保守系のニュースアグリゲーションサイトですが、クリントン元大統領とモニカ・ルインスキーのスキャンダルを取り上げたことで有名になった、と言われれば「あのサイトね」と思い出す方も多いのではないでしょうか。あの時のように騒がれることはなくなったものの、依然として影響力を維持していることが指摘されています:

PEJ_Research3

ご覧のように、一部のサイトではFacebook以上のトラフィックを生み出していることが分かります。

この結果をどのように捉えるか。単純に数値だけ見れば、まだ従来の検索エンジン、アグリゲーションサイトほどの影響力は持っていないという結論になりますが、逆にここ数年でこれだけの存在になったという評価もできるでしょう。残念ながら今回の調査では時系列による比較がありませんが、ソーシャルメディアが今後も普及し、既存ユーザーがより活発に活用するようになることが考えられます。報道機関にとっては既に、検索エンジンとソーシャルメディア、2つの性質が異なる存在にどう対応して行くのか?という難しい検討を迫られる時代になっていると言えるのではないでしょうか。

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