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ビジネス書の自販機

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最近のビジネス・キーワードに「時間」があるそうです。例えば『宣伝会議』No.710(2007年2/1号)では、その名もずばり「時間マーケティング」という特集が組まれていて、1回30分でできるフィットネス(Body Q't)や、1回15分のプロによるメイクアップサービス(15min biew's)などが紹介されています。また先日の日経MJでは、都内で早朝4-5時まで営業する美容室が人気(合コン前後に身だしなみを整えたいというニーズに対応)であることや、TSUTAYAが東京ミッドタウンに出店する店舗は午前7時から午後11時まで営業する(出勤前後の来店に対応)ことなどが紹介されていました。

これらはすべて、忙しい現代人により利用してもらいやすくするための工夫です。逆に余暇の時間が増えた人々(退職した「団塊の世代」層など)向けに、時間をかけて楽しんでもらうサービス(料理教室やロングステイ型旅行など)という方向性もあるそうですが、「短時間で」「普通なら利用できない時間に」利用できるようにする、という方が発想しやすいでしょう。こういった「時間に融通をきかせるサービス」は、まだまだ応用が可能ではないでしょうか。

例えば『宣伝会議』でも紹介されていましたが、最近「自レン機」なるものが東京メトロの主要駅に設置されています。これはアスタラビスタが手がけるサービスで、自動でDVDレンタルができる機械(自動でレンタルできるから「自レン機」)というものなのですが、通勤・通学途中でレンタルと返却ができるという利便性から人気を集めているとのこと。このアイデアを借用して、ビジネス街に近い駅に「ビジネス書の自動販売機」を設置するというのはどうでしょうか?

オンライン書店の発達により、時間をかけずに本を買うことが可能になりました。しかしまだまだ配送に時間がかかりますし、自宅にいなければ受け取れない場合もあります。例えば『日経ビジネス』の書評を読んで、紹介されていた本をすぐ手に入れたいと思ったら、帰りに遅くまで開いている書店に立ち寄るしかないでしょう(大都市にオフィスがあれば、ビジネス書が揃っている書店が近くにあるかもしれませんが)。そんな時、通勤で使う駅に「日経ビジネスで紹介された本が買える自販機(1週間ごとに中身を入れ替え)」があれば、思わず買ってしまう人は多いのではないか……と思うのですが。

また自販機という仕組みにより、「品揃えを抑えることで買いやすくする(選択で悩む時間の軽減)」という効果も狙えます。そうなると、「ビジネス書の自販機」は二重の意味で時間を短縮することになるのではないでしょうか。などなど勝手な想像をしてみたのですが、この「時間」というキーワード、まだまだ深く掘り下げられそうです。僕のアイデアはさておき、自分が扱っているモノ/サービスを「時間」という側面から切るとどんなアイデアが出るか、試してみてはいかがでしょうか。

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