アメリカを憂う友人の言葉
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「私の祖母は、ベルギーからの移民なの。たくさんの子供を抱えて、言葉も通じない国にやって来たのよ。」
「祖母は英語を、同じ村に住むイタリア人の女性に教えてもらったらしいわ。でも、一体どうやって互いのコミュニケーションをしたのでしょうね。」
という、アメリカ人の友人の言葉。
「私はね、こうして移民をどんどん受け入れてきた、フロンティア精神あふれる寛容なアメリカという国が好きなの。この国に生まれてよかったと思うわ。でもね、それが最近、どんどん違った方向に進んでいるのではないかと思うと、とても悲しくなるの。」
彼女が問題にしたのは、アリゾナ州が4月に採択した、アメリカでも最も厳しい移民法。正式な入国手続きを証明するものを携帯していないこと自体が犯罪に問われる、という内容だ。個人的にも、とんでもないと思う。一度グリーンカードを掏られて痛い目にあっている身としては、グリーンカードを毎日なんて携帯したくもない。実際、この法律に対しては、オバマ大統領も反対を表明している。
法案の施行が予定されている8月を前に、連邦裁判所がこの法律にストップをかけたらしい。その行方はまだ不明だが、友人の憂いが杞憂に終わることを願っている。
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