日本の地方都市から見た「独立・起業」の必要性
オルタナブログを書いている楽しみのひとつとして、特に意識していなかったのだけど、テーマについて複数のブログが反応しつつ、ひとつの流れを形成していく事があってこのアメーバ的な展開がとてもわたしは大好きです。
例えば、昨日わたしが書いたこちらのエントリだけでなく、いろいろなエントリを併せて読んでいただくと、このネタでいろいろ思案されている方にはこれまた色々な気づきというか、着眼点というか、問題の切り口や解決する糸口が見つかったり、もしかしたら新たな課題が出てくるかもしれませんが、このオルタナブログだけで多面的な情報が得られるというのはやはりネーミング通りのオルタナブログたる所以ですよねw
- 起業についてひと言:「走れ!プロジェクトマネージャー!」
- 起業についてひと言、に加えてひと言、ふた言:「走れ!プロジェクトマネージャー!」
- 「勤め人としてお金を稼ぐ」のと、「ビジネスでお金を稼ぐ」のは大きく違う。ということで、ビジネスパーソンは、セールスの仕事を一度経験するとよいかもしれない、という話:永井孝尚のMM21
- 30代半ばサラリーマンが起業を目指したときの心理状況実録:坂本史郎の【朝メール】より
奇遇というか、何というか独立・起業ネタでこれまたタイミング良く巡り会うことがありましたので、昨日に引き続きお付き合いください。
先月になりますが、わたしの地元八戸市でこんなイベントがあり、本荘さんが青森出張編ということでエントリを3つもアップしてくださっています。
Dr.本荘の Thought & Share
主催された大谷真樹さん(八戸大学八戸短期大学総合研究所長で通称Gパン教授)とはTwitterを通じ、これまたオルタナ仲間の今泉さんの仕切りで今年3月に「青森県人オフ」を開催した際に面識を得ることが出来まして、この「八戸ベンチャーサミット2010」の概要はお聞きしつつも残念ながら参加できなかったので悔しい思いをしていたのですが、昨晩新宿で「第1回八戸ビッグバレー東京支部ネットワーキング」というイベントが開催されるとのことで参加してきました。
『八戸ビッグバレー』とは2009年に発足した、八戸版ビットバレーということで、以下のような参加資格で紹介制で運営されています(運営方針について少し見直すという話もありました)
- 新たな事にチャレンジしたい
- 皆から刺激を受けたい
- 起業を志している
- 地域を変えていきたい
- 経営革新をおこしたい
- 同志を見つけたい
- 地域の活性化に貢献したい
- 経験やスキルを活かしたい
昨晩は20数名の参加者でお勤めの方が15名くらい、起業している方が2~3名でフリーランスを含めると5名くらいの方が独立自営の道を歩んでいるような分布のようでした。
この『八戸ビッグバレー』の場合、起業家を援助したりすることも大事なテーマではありますが、やはり地元である八戸を盛り上げるという観点からすると地方活性化も重要テーマになります。
地方都市の活性化の成功例としては「そうだ葉っぱを売ろう」がかなり有名な事例にかと思います。この舞台である徳島県勝浦郡上勝町は、マイクロソフトと協業しICT利活用の地域振興モデルを構築する取り組みをしてるのはニュースで見ていたのですが、大谷さんの交友関係から今回の集まりにマイクロソフトの公共営業本部・自治体営業部の方も参加され、歓談タイムを利用して興味深い話をお聞きすることが出来ました。
詳しい内容はスペースの関係上割愛させていただきますが、大事なのは成功事例を真似ることではなく、その場所、場所の特徴を活かす事であり、その差別化か得られる便益に地元の人たちが気がつき、真剣に取り組むことができるかどうかだと思いました。
ちなみに上勝町においては、おばあちゃんが経済的に自立もしくは、孫への小遣いなり自分の裁量で扱える経済的な収入を得ることが出来た事が最大のポイントで、単にお金という事だけでなく、これまでの女性が置かれてきた社会的な立場などをふまえると精神的な面においても大きな事だったとわたしは考えています。
地方が疲弊している…という事が言われてかなりの年月が経過してますが、地元八戸の中心街もシャッター通りと化してからかなり長い時間が経っています。
高齢化社会と共に、一時期周辺地域に分散した商業施設などを、ある程度コンパクトにまとめ直した方が高齢者が通院や買い物など生活活動を行ううえで効率的で身体的な負担なども軽減できるという都市施策の考えがあると聞いたことがあります。
このシャッター通りと化した商店街がわたしが住んでいた25年前のような状態に戻るのかどうかは分かりませんが、先ほどのような高齢化社会における地方の繁華街が少しづつでも再開発されるて欲しいと思いますし、その流れのなかで新たな独立・起業のチャンスが巡ってくると思われ、このほか従来型の企業誘致による雇用の創出や、やはり今はインターネットを活用しての国内オフショア的なアプローチや、地域限定要素の高い商品のインターネット通販への取り組みなど複合的な取り組みが必要でしょう。
東京資本の大規模な小売り店舗が進出して一時的に街が活性化したように見えても、景気が悪くなれば、そこは資本主義経済の論理で撤退をする。そして残された店舗がどんどんすさんでいく…というような経験を多かれ少なかれ日本の地方都市は経験していると思います。
そもそも産業を興すということが大変に難しい事ではあるのですが、こういう苦い経験をしている人たちにおいて独立・起業というのは、昨日も触れたように儲ける事も大事な要素の一つではありますが、もっと大事な事がそこにはあると思う…というお話でした。自分の場合、やりたい仕事が地元には無かった…という口なので、ある意味逃亡者でもある訳ですが、この辺の話についてはまた別な機会に触れて行きたいと思います。
まずは何はともあれ、大谷さんを始めとする戸ビッグバレー東京支部の事務局の方々ご苦労様でした。また次回を楽しみにしています!
最後に八戸大・八戸短大総合研究所の「起業家養成講座」の1期生の方が立ち上げられた企業サイトをご紹介させていただきます。契約農家さんが届けてくれる美味しい青森の野菜にご興味ある方は是非ご訪問ください。