厨房の声、聞こえてます
飲食店は淘汰が激しいようで、今まであったお店が閉店することも多いですが、跡地には新しいお店がすぐに開店したり、新しく出来たビルでもすぐに飲食店のテナントがいっぱいになります。
最近は、シックな感じの店作りが流行っているのか、和食系ではお店の感じも落ち着いた感じで統一されている店が多く、洋風のお店でも高級感を演出しているお店が多いと思います。またガラス越しであったりする場合もありますがキッチンを見せることで視覚からお店のイメージを作ることを意図しているお店も多いと感じます。
その一方でお店側が不思議と気にしていないこととして、厨房での会話や声がお客さまにどのように感じられるかということがあります。確かに厨房と客席は距離もありますし、場合によってはドアで仕切られていることもあります。しかし多くのお店では、厨房の中の声、会話は結構客席に届いているものだということが案外気付かれていないのではと思わせることがあります。
バイト同士での仕事と関係ない私生活の話、仕事での他愛の無い会話などが延々と続けられ、その反面ホールに対しては全く注意が行き届いていないお店。さらには、お客さまの注文に対する「面倒くさいな」というような会話が筒抜けのお店。酷いところでは、従業員同士のいざこざまで聞こえるお店もあります。
店の作り、料理の質はもちろんですが、気持ちよく食事をしてもらうためには、舞台裏である厨房までお客さまの目や耳が行き届いていると考え、そこまで徹底して接客の精神を定着させる必要があります。見た目を如何に上手にデコレーションしても、本質である従業員の教育、立ち振る舞いが出来ていないお店は、長い競争の中では間違いなく淘汰されるのではないかと感じます。