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”おおむね順調”とは?

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組織内での仕事やプロジェクトで進捗を確認する際には、人によって確認のスタイルは様々です。「全体として○か×か?」という解答から詳細化していくやりかたもありますし、”与えている作業ひとつひとつの作業状況、進捗を確認する”方法もあります。部下からすると、自分で解決できそうな作業上の問題がある場合には、前者のように大雑把に報告できるほうが良いですが、マネージメントスタイルによっては後者に近いマイクロマネージメントを受けることになり、報告のために費やす時間もかかります。

さて、今度は報告を受ける側として考えた場合に、以前から気になる言葉として「”おおむね順調”です」という報告があります。ずっと以前からこの”おおむね順調”に対して質問を投げかけてきた結果、この言葉にこめられた思いがいくつもあるようで、

  1. 問題があるが自らは説明しない、質問していただければ報告する
  2. 大きい作業は順調に進んでいるので、あなたに影響は無い
  3. 問題はあるのだがタスク内で解決し、表出することなく管理するので気にしないで欲しい
  4. 遅延や問題があるが、今は深く追求しないで欲しい

といったような意味合いがあるようです(他にもあるかもしれませんが・・・)。つまり程度の異なるいくつかのメッセージが”おおむね”という言葉に含まれているようです。

大きい会議や組織での会議になると、”おおむね順調”という言葉での報告に突っ込みがなく流されることが多く発生します。この言葉に突っ込んだ場合には、上記の意味合いによって相手の態度が異なります。おろおろする場合、言い逃れをする場合、説明はするが非常に感情的な場合、たんたんと事実だけで状況解説する場合、などなどいろいろな場面に遭遇します。しかし、その一方で、場の雰囲気からすると、そこに突っ込むと”うざったい”と思われるパターンが多いようです。なぜか、”おおむね”という言葉が発せられると、「ほとんど上手く行ってるんでしょう、だからそんなに細かくならなくてもいいの。」という雰囲気に変わってしまうことがあるので、この言葉の隠された威力を実感します。

プロジェクト等の管理者としてみた場合には、このような”曖昧な報告”に関しては厳しく突っ込みを入れたいところですが、上記のことを考えると”おおむね”という言葉に秘められた意図によっては”別の場”で詳細管理を行ったほうがよいと感じることも多くあります。そんな時に”おおむね順調”という言葉に上手く対処する技術を身に着けたいと思います。

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