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「がけ崩れ予測メール」サービスの中止勧告

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ウェザーニュースの「がけ崩れ予測メール」というサービスに対して、気象庁から業務改善命令を出し中止を勧告し、結果サービスは中止となったそうです。理由は「崖崩れは地象で、民間気象予想会社が扱える気象の範囲を超える」とのことです。

1993年の気象業務法の改定によって、民間の会社による気象予報サービスの提供が始まり、単純な天気予報からよりお客さまの「何を知りたいか」に着目した細分化されたサービスの提供が拡大し、その一形態として「崖崩れ予測メール」サービスも開始されたと思います。気象予測の多様化は大きく分けて3つのパターンがあると思います。

  1. 予測対象地域の細分化(例:ピンポイント予測など)
  2. 予測内容の目的による予測内容の読替(例:洗濯指数など)
  3. お客さまの業態やニーズに合わせた予測の実施(例:降雨0%予測など)

今回の「がけ崩れ予測メール」は、この3類型の中では、1と3の複合であり、気象予報での様々なデータを活用して別の予測を行うものではあるので、気象庁の言い分も正しいとも考えられます。ウェザーニュース社は気象予想の会社なので、これ以上”気象”という領域を逸脱することは難しいかもしれませんが、予測サービスが細分化されていき、ニーズを吸い取っていく過程で、さらに多くの派生する予想ニーズが発生し、その中には気象であるのかそれ以外であるのかバウンダリーに昇るものがあると思います。

このような、発展していくサービスをただ押さえつけて「やってはいけない」というだけでなく、どのように実現し、発展させていくか、その方法に関して省庁の権益でなく、経済の発展を一義において検討してもらいたいと思います。

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