IT業界のマーケティングを問う:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) IT業界のマーケティングを問う

戦略、プロモ、広報など実務から見たマーケティングをお話します

デパートの高島屋で試験的に行われていた、来店者のうち店員から声を掛けられずに買い物をしたい人のための、「S.E.E.カード」によるサービスの試みが正式なサービスとして導入されたそうです。店員さんに声を掛けられたくないお客さまは、店内に用意されたカードを首に掛けることで、デパートの店員は声を掛けず、静かに自分のペースで買い物ができる仕組みだそうです。

確かに、店員さんに声を掛けられることで、色々見てみたい、自分なりに探してみたいという状態が阻害されることもありますし、明確に購入する意志が無い場合には店員さんへの対応に困ることもあります。その意味でも、消費者としては明確に意志表示をすることができ、便利なサービスだと思います。しかし、利用者は少ない現状のようで、もっとサービスが認知されるまでしばらく時間がかかると予想されます。

有明にIDC大塚家具の大きなショールームがありますが、そこでは店内に入ったとたんに店員さんが密着し、お店を出るまで付き添われるような状況になります。そこまでひどいお店は少ないでしょうが、自由に気兼ねなく買い物をしたいという時の消費者の要求に対して、売る側の論理ではあまり頓着しないのか、店員さんからの声掛けや視線によってかえって購買意欲をそがれることもあります。

その一方で、一部の家電量販店(家電量販店は両極端ですが)などでは、来店者が逆に店員さんに声を掛けサポートを求めたい時に店員さんがまったく捕まらないことがあります。これも逆に消費者として購買意欲をそがれてしまう理由の一つにもなります。

聞きたいときに聞ける、自由に買い物を楽しむ、この2つを両立させることは難しいことかも知れませんが、消費者としては業態に関わらずそんなお店ばかりになればよいなと思います。

ともあれ、高島屋のサービスの今後も注目してみたいと思います。

つるた

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コメント
Azukian 2007/04/29 18:04

私は、こういうオプトアウト的な方法は嫌いですね。
 
これって、「店員は、声をかけるのが当たり前だ」という、
売る側の論理を正当化する意図が含まれているのではないかと思ってしまいます。
そう捉える私にとっては、
「当たり前のことをされたくない異端児ならこれでも掛けてろ」と言わんばかりの、
店側の傲慢にさえ、感じます。
「以後不要だったら購読解除の手続きしてね」と言って送りつけてくるオプトアウトのDMと、
なんら変わらない精神だと受け止めます。
 
私はそんな押し付けごめんなので、
カードが掛かっていないことを理由に、しつこくしてきたら、
断固として噛み付きます。
一部の顧客にとって、
自由にさせてカードを掛け(させ)ることが、かえって、
不自由さを感じることになるんだ、ということに気付いていないんでしょうか?
 
こういうことするなら、逆に、
声をかけて親密に説明をしてもらいたいという人に“こそ”意思表示をしてもらう、
オプトインのサインカードにするべきだと思いますがね。
 
たしかに、家電店は、店員が捉まらない時間帯というのがあります。
マジで人員が足りないということもありますが、
単に、フロアマネージャの人の回し方がずさんで、
買い気の客をよそに逃がしてしまっている店舗も、
少なくありません。
 
もう少し、客の入りと流れを把握・予測して、
シフト・配置を見直せばいいのになぁ、と思うこともしばしばです。
 
私は、家電店の店員さんウォッチャー(!?)ですが、
店員さんを観察していると、
実際には、人が足りないというわけではない状況でも、
「ゆっくり見ていただくためにお声かけをしません」を建前としている所為か、
声かけを躊躇している場合も少なくありません。
そんな店側と客側との、微妙な間の悪さから、
それ以上の関係に進まずに、売り場を離れていてしまうケースをよく目にします。
 
店員に間違われやすいオーラを発している私は、
そういう微妙なお客さんから良く声を掛けられ、
しばしば、その相手をするのですが、
そこには、
店側が良かれと思って展開している売り方と、
顧客が求めているものとの間にギャップがあることを実感します。
お店側も分かっているはずなのに、(あるいは感じているはずなのに)
なぜか、抜本的な改善策が取られていないような気がしてなりません。
 
ところで、
そういったお客さんと話をしてみると、 
あぁ、このお客さんだったら、
この辺に呼び出しボタンでもあれば、解決できる問題なのになぁ、
と思うことも多かったりします。
 
なぜ、家電店には呼び出しボタンがないのでしょう?(私の知る限り、見かけません)
ファミレスの呼び出しボタンは、吉牛のように注文を急かされる恐怖もなく、
なおかつ、用がある時だけ来てもらう事ができるので、
過剰に気を遣ってほしくない人や、
即断できない人(もとい、ゆっくりマイペースで考える人)にも優しいシステムです。
 
形態は違えど、
家電店でも、そういう人種は共通です。
 
技術的には難しくないことなのに、
それをしないのには、店側なりの出来ない事情があるのでしょうが、
ウォッチャー目線からみると、客の立場に立ってないよなぁ、と思うことはしばしばなのです。

つるた 2007/04/30 21:02

>Azukianさん
コメントありがとうございます。大変勉強になります。
確かに最善の方法では無いと思いますし、本来であればまずは小売業たるものお客さまの望んでいる状態を、その場に応じて作り上げることが重要だと思います。そのための工夫ももっといろいろこらして欲しいものです。
ヘルプが欲しい時は迅速に的確に、欲しくないときは距離を置いて、そんな当たり前のことが実現できず、マニュアル的に声がけ接客をするお店が多いことも問題ですね。
私もしばし、時間を見つけて百貨店に通ってみたいと思います。でも外見で、いかにも買わないと誤解されて、そもそも声を掛けられないかもしれませんね(笑)。


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鶴田 裕史

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(株)プライアルトス代表。IBM、サン、アクセンチュアでの経験を基にIT業界向けマーケティング支援を提供。専門は事業戦略

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