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WEB2.0議論 BとCの発想を捨てる

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WEB2.0に関する本は沢山出ていますし、インターネットでも沢山の意見が飛び交っています。大きく分けて話題になっていることは、技術論、ビジネスへの活用方法、新しいビジネスモデル論、などが主流だとは思います。特に、ビジネスに着目した場合には、WEB2.0というパラダイムを活用して、企業がマーケテイングで行っている試みなどの具体例を挙げること、そしてWEB2.0と言われるパラダイムに属している新しいコンシュマー向けビジネスの評価に終始している感があります。

最近まとめて情報整理をしてみて、まだまだ荒削りですが感じていることを書いてみたいと思います。

WEB2.0とは何であるかに関しては敢えて記述しませんが、様々な技術、ビジネスモデル、インフラストラクチャーが同時期に融合したパラダイムだと言う前提で考えた場合、マーケテイングの観点からは、B-B、B-C、B-B-C、P-Pという今までの発想の枠を取り払ったほうがよいと感じることがあります。

過去のインターネットでは、企業対消費者という構造は根幹からは崩しがたいものでした。しかし、現時点は企業も消費者も、それぞれが大きな仕組みの中のノードでしかありえない状況だと思います。ノードとノードがどのようにリンクを持つのか、ノードとノードのつながり、さらには影響力はどのように生成され、維持・発展していくのかと考えた場合、企業も一個人と同じノードであり、一個人が企業に与える影響もあれば、今までと同様に企業のメッセージに一個人が影響を受ける場合もあります。

BLOGやSNSで、企業に成り代わって(個人の意見として)プロモーションを行うことに関して批判もありますが、特定ノードからの情報発信の経路・手法としてはこのようなこともありえますし、今後は世論形成のために同じような手法が使われることも想定されます。そうなった場合には、リアルの世界でのマスコミと同じ様に情報操作の影響力のパスを整理・構築した個人または企業が勝ちになります。

逆の考えかたをすれば、一個人であっても、マスコミや大企業に対して資金力以外の部分で、価値を高める、勝負に勝つ方法が存在しうるということでもあります。広告代理店や大企業の一部はその可能性にいち早く気が付いていろいろな手を打っていますが、未だに強力な解は見つかっていないと思います。

今までのWEB2.0の議論でなく、ノード間の相互作用として、企業・個人を同列で考え、様々な今後の発展の方向性を検討してみると思いがけない発見があるかも知れません。

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