オルタナティブ・ブログ > IT業界のマーケティングを問う >

戦略、プロモ、広報など実務から見たマーケティングをお話します

WiiとPS3の比較分析

»

もしかすると他の方が書かれているかもしれませんが、東洋経済の12月16日号に、WiiとPS3に関する面白い比較記事が載っていました。

まず、1点目は、ハードの売上台数に対してのソフトウェアの売上本数の比較です。PS3は1台につき0.98本に対して、Wiiでは1台あたり1.69本の比率だそうです。転売目的での購入を考えても、PS3は1本だけ購入することが主流で、Wiiでは2本程度購入している計算になります。ソフトウェアの品揃えもありますが、ソフトウェア単価とハードウェア単価での総支出として考えると、かなり購買者の実態をあらわしていると思います。

また、もうひとつの比較は、コストも含めた内部構造です。PS3は380Wの消費電力に対して、Wiiは45Wの消費電力で、その結果内部構造も簡素化されているようです。そして内部分解した結果の推定損益は、PS3は1台売れるたびに406.65ドルの損失に対して、Wiiでは37.69ドルの利益を稼ぐようです。PS3も今後経験曲線的には利益が出てくるはずですが、現在のところやはりWiiの優等生ぶりが目立ちます。

結局のところ、Wiiは「高機能の玩具」という基本スタンスであり、PS3は「ゲームが主流のコンピュータ」という基本的な考えの違いが様々な結果として現れていると思います。

個人的には、単純にコントローラでも遊ぶことのできる進んだおもちゃとしてのWiiのほうが解かりやすく、PS3はPS2を発展させていった結果、非常にコンピュータ的要素が強く、遊び道具としての印象が薄くなったと感じます。今回、どのような結果に終わるか解かりませんが、今のところ任天堂がスーパーファミコン以来の、据え置きゲーム市場を席巻するのではと感じています。

今後の動向から目が離せないですね。

Comment(1)