公務員も大学教授も受難の時代
東洋経済の12月9日号の特集で「落ちる中間層 ワーキングプアより深刻なホワイトカラーの没落」という記事が載っています。こちらのブログを読まれている方ではその中で”SEの給与は3割下がり、5年後には雇用が流出する”というところに目がいくのではないかと思います。基本的には「オフシュアを契機として、中間的な給与をもらえるSEの仕事そのものが2極化する」という内容で、シナリオ的に十分に発生しうる内容だと思います。多くの企業で、今までの継承路線ではなく、事業戦略の建て直しが必要になる日も近いと思います。
個人的には、大学教授と公務員に注目した、もう一つの記事が気になりました。両方の職業に共通なことは、身分の安定という意味で、制度的、慣習的に一般企業よりよい待遇である職種だったことです。さらに、一般企業の給与の下落に対しても安定した給与レンジの確保を行っていたため、「比較的高い給与を安定してもらえる職種」というイメージが付いています。
その一方で、大学では学生数の減少による大学数の減少、職員数の減少、収支悪化を背景とした、大学経営の見直し、そして公務員では、財政破綻、地方での人口減少、補助金の削減など、様々な要因から抜本的な見直しを迫られています。
特に、それらの業種に関しては、そもそも身分の安定を前提としているため、一般社会での競争・職業選択に関して自由度が低い(対応力が低い?)ため、先行きに対して抵抗あり、混乱ありといった状況のようです。
結局のところは聖域なく、仕事の価値とニーズ、そして個人の能力によって職業を選定して、よりよい生活を求めていく必要性が浸透してきたというのが現状だと痛感させられました。その一方で未だに聖域になっている、政治・官僚の世界にも、遠くない将来に同じようにメスが入っていくことを期待しています。