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戦略、プロモ、広報など実務から見たマーケティングをお話します

組織機能間の安定した関係

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サン・マイクロシステムズでマーケティングをやっていたころですが、データウェアハウスのプロモーションを担当していました。プロモーションと言ってもセミナーや広告だけでなく、実際の営業現場やチャネルとのお話などにも深くかかわるため、単なるマーケティングというよりも、製品の無いブランドマネジャーといった感覚のお仕事でした。

さて、その時分は、IBMから転職して間もないので仕事のやり方から何から、新しいことだらけで慣れること自体が大変でした。暫くすると、とても面白いことに、非常に密接に接触をしながら営業活動をしていく人と、たまにしか連絡を取り合わないが非常に重要な営業展開を仕込んでいく人がいることに気がつきました。

特に後者は驚きで、特段打合せをするでもなく、立ち話でお話をしていくだけで、どんどんプロセスが進んでいく不思議な体験でした。

後日、その営業の方、そしてSEの方と飲んだときにお話をしていたときに「バンドと同じで、相手のやることすべて把握していなくても、お互いやることをきちんとやって、全体を見ることができれば、安心してコミュニケーションしなくても、きちんと仕事はできるんだよね」というようなことをおっしゃってました。

ニュアンスのみしか伝えられませんが、バンドをやられるかたはお分かりいただけると思いますが、初心者は他のパートの演奏を聞いてから自分のパートの演奏をしますが、熟練者は聞きながら演奏します。そこでは、相手があるレベルで演奏を行うという信頼のもとに、他のパートにあわせるのではなく、一緒にアンサンブルを作るという状態が生まれます。その結果、見事な演奏や、ドライブ感が生まれるわけです。

先ほどの、他部門の方との関係も、今になって思うと、一定レベルを超えた相手の方との間の信頼関係で、多少の行き違いはあったとしても、基本的には同じビジネス目標に向けて相手と共に自由に動きながら相乗効果を生んでいたのだと思います。

組織間では、機能が異なる場合には、ネガティブな要素を基盤にした接点が多いと思います。例えば、営業はマーケティングを信用しない、製造は営業を信用しない、プロフィット部門はコスト部門を信用しない、といった相手の力やメンタリティまでも否定することを前提で組織間のコミュニケーションがなされています。究極には、互いがプロであると認め合うことが必要だと思います。ですが、その前に、まず自分の仕事とその目標・目的を明確にして、そのために何ができるか、何をしようとしてるかを他部門に対しても明確に伝えるべきだと思います。そして、当然のごとくプロとしてプロの仕事をすることも必要ですが・・・

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