脱力感より無力感の方がマシ。慢心より絶望の方がはるかにマシ。
ちょっと前に1000人月なんてエントリを書いたけど、自分一人のPOWERの大きさを考えると、何年も何十回も、クライアント先で仕事に没頭しているうちに、
時々、無力感に襲われてしまう。でも、脱力感よりはマシだ。手抜きはいけない。気を抜いてはいけない。頑張っても工夫しても成果があがらず無力を感じることは、マイナスばかりではない。次への教訓という意味でプラスがある。「次こそ挽回してやる」ってモチベーションさえあれば。
同様に、無力感が長期化して「絶望」にさいなまれる時もたまーにあるが、ずっと絶望してなんかいられない。たまたま特定のインシデントで、あまりに自分の思惑と現実がずれていて、無力感を通り越して、もはや不運や不幸ではなく己の能力のなさに絶望するわけだが、それでも、絶望したからすぐ仕事を辞めるわけでもない。だって起業したんだもん(苦笑)。しばらくは凹んでいるけど、必ず立ち直る。どんなに傷を負っても、仕事で死ぬわけじゃない。結果が出なければクビになるかも知れないけど、それで死ぬわけでもない。また次を頑張ればいい。
そんなものより、慢心が一番ヤバい。「俺、イケてる!」くらいならまだいいが、「できるじゃん、俺。楽勝だ!」とか言ってると、必ず痛い目にあう。そしてこのケース、痛い目に遭うだけじゃなくて、それがきっかけでたくさんのクライアントを失い、たくさんの仲間から軽蔑されるリスクが高い。
慢心は「自信」ではない。まったく違う。十分な分析をせず、たまたまの高成果を「自分だけの手柄」「自分が持つ幸運の賜物」みたいに勘違いする人は、必ずしばらくして干される。
慢心によって失ったものは、正直自分も一度猛省しているが、二度と戻ってこない。もうどうしようもないのだ。後悔してももう遅い。また新しく、失ったプロセスの100万倍の長期的努力で取り戻すしかない。それすら思い浮かばない「慢心」だらけの人には、もう二度と春が来ないのだ。
慢心は怖い。絶対に避けて通りたい。