システム開発小噺(3): こんなシステム要らない!
昨日昔を懐古したついでに思い出した、開発小噺がまだ残っているので今日も一席。深夜エントリということで失礼デス。
今は正直どうだかよく知らないが、昔の開発では、納期を守らせたいという一念がクライアントとベンダー間で一致しているときは、最後のリハーサルレベルで見つかってしまった不具合というのは、
まず一覧化して、みんなでそのクリティカル・レベルについて確認をする。
どうしようもないものは直すスケジュールとか担当割とか追加計画をたてる。
でも、納期を守るためには少しでも追加作業を減らしたい。
そこで、
たいして大きなトラブルにならないもので、ユーザが入力等操作に禁則を設けることで不具合発生を回避できるものは、あとで対応することにして、そのままにするのです。
そのかわり、「禁則一覧」なるものを作っていました。すなわち「ここには半角データはシステムが不具合を起こすので入れないで」とか「この画面からは『○○画面へ』ボタンで遷移しないで検索画面から再表示させてください」みたいに、ユーザに操作上の工夫で不具合発生を回避していただくことをお願いしていたんです。
開発者毎に、担当領域でこういう禁則に相当するものを、一覧表様式を準備して、順番に回覧して、「“こういうことやらないで“ってこと、記入してください」と回していったところ、或る仲間が、
「こんなシステム要らない!このシステムで(当該業務を)やらないで!!」
って書いたらしい。まあ、確かに最近連日徹夜でいわゆるラりっていた仲間。
翌日、回覧を集計して一見したクライアントが、真っ赤な顔をして、プロジェクトマネジャーのところにすごい剣幕でその一覧表をみせながらどなってた。
プロジェクトマネジャーの顔も、みるみるうちに真っ赤になっていった・・・いわゆる平謝り。
その後、その仲間は肩をたたかれ、その後ランチタイムが終わってプロジェクトルームに戻ってきたら、彼の席はキレイになっていました。プロジェクトマネジャーいわく、「片道切符の遠い旅に出したんだ。お前ら、あいつはもう帰ってこないから、みんなで分担して、穴を埋めてくれ。」
そうなんだよね。その頃って、絶対補充がないんだよ。欠員でると、残ったメンバーでカバーさせられるんだった(泣)。
おしまい