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「あまちゃん」で東日本大震災の週を担当した演出家の言葉

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昨日は「あまちゃん」の最終回を見た後、
NHKウィークリーステラ臨時増刊
「あまちゃんメモリアルブック」を読みました。

メインが「演出家に聞く~カメラのこっち側~」という
演出家5人に各週の演出意図をインタビューした記事で、
どのようにドラマがつくられていったのかがよくわかって
とても面白い内容でした。

東日本大震災とその直後を描いた第23週『おら、みんなに会いでぇ!』について
チーフ演出の井上剛さんが語った中に
「過去も、今も<あまちゃん>らしく」という項目がありました。
下に引用します。

「日本にとって、東北の方々にとって、3・11の震災はとてつもなく大きな出来事でした。でも、その前から人々の暮らしはずっとあったし、そのあとも続いていきます。だからこそ<あまちゃん>は、狭い範囲の話ではなく、数十年の話にしたかった。震災を体験して変わる部分もありますが、過去からずっと変わらない部分もあります。僕は、その変わらない部分を<あまちゃん>らしいユーモアを交えながら描きたかった。
 当たり前のことですが、過去が積み重なって現在があります。今を支えている過去をしっかり描くことで、今現在のこの瞬間に深みが生まれます。それがたとえどんなにかっこ悪いものでも、恥ずかしいものでも、過去をなかったことにして、今や、その先を描くことはできないなと思いました」

ぼくが自分史活用をテーマにしたセミナーや講座でいつも話していることは、
現在と未来は、過去からの歴史の流れの延長上にあり、
過去の積み重ねの上に現在があるのだから、
自分史をまとめることで、ありのままの過去を受け入れ、
過去をきちんと見なすことで、より現在への理解が深まり、
未来へのヒントが得られるということです。
井上さんが語っていることとかなり似通ってますね。

このような方が演出されたドラマだから
「あまちゃん」にはまってしまったのかもしれません。
「あまちゃん」は今ぼくが取り組んでいる
「自分史活用」というテーマについて考える上でも
いろいろヒントを与えてくれたドラマでした。

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