NHKスペシャル「うつ病 ~防衛本能がもたらす宿命~」
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20日の日曜の夜にNHKテレビで「病の起源 うつ病 ~防衛本能がもたらす宿命~」を放送していました。うつ病に特別な関心はなくて、なんとなく見ていたのですが、意外に興味深い番組でした。
番組の概要
- うつ病患者の脳に萎縮が見られる。強い不安やストレスが続くと扁桃体が活性化して、ストレスホルモンが止まらなくなり、脳がダメージを受けてうつ病になる。
- 小魚を天敵といっしょに小さい水槽に入れてストレスをかけ続けると、ストレスホルモンが止まらなくなって水槽の底で動かなく(うつ病)になる。
- チンパンジーを仲間から隔離して孤独に飼育すると、ストレスホルモンが高くなって、うつ病になることがある。
- つらい記憶を何度も思い出すと扁桃体が活性化する。人間が言葉を使えるようになって、他人の恐怖の記憶の話をきくことで活性化の原因が増えた。
- 集団で自分が損も得もしない状態のとき、すなわち平等を感じるときは、扁桃体は活性化しない。古代メソポタミアで農業によって権力と富の差ができた時に、平等では無くなって嫌な記憶や争いが広がった。
- 研究によると、自分の判断で仕事をする医師や弁護士はうつ病が少ない。指示を受けて働く層にうつ病が多い。
- ドイツの最新の治療は、脳に電流を流して扁桃体の活動を抑えるやり方がある。また、平等を感じられる社会生活、適度な運動、規則正しい生活で改善する治療が始まっている。
魚やチンパンジーがうつ病になるのは知りませんでした。
うつ病がこのようなメカニズムで起きるのであれば、いわゆるブラック企業やハードなプロジェクトで不本意ながら言われたままに働く人にうつ病が多いことや、薬で解決しようとしても難しいということは、もっともなことと理解できます。
生活や仕事を変えることが一番の治療法ではないかというのが、私の印象です。
再放送が10月24日(木)午前0時40分~1時29分(23日深夜)にあるようです。
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