オルタナティブ・ブログ > てくてくテクネコ >

顧客サービスとITのおいしい関係を考える

戦車で地域振興【ガールズ&パンツァー】

»

2013年が始まりました。当ブログは今年もオルタナティブな視点で他の方とカブらないネタを取り上げていきます。

新年と言えば初詣ですが、アニメに登場した神社が数年前から初詣の人気スポットになっています。

Business Media 誠:外伝アニメ化も絵馬で発表、『らき☆すた』聖地の鷲宮神社に初詣に行ってきた

映画やアニメ等によって物語性やテーマ性を地域に持たせて観光客を集めるやり方を、コンテンツツーリズムと言うそうです。マニアは”聖地巡礼”と呼びます。

茨城県大洗町はただいま人気急上昇中の新しい聖地です。

2012年に一部のテレビ局で放送されたアニメ「ガールズ&パンツァー」(以下、ガルパン)は、大洗町にある架空の県立大洗女子学園で「戦車道」を目指す女子高校生が主役です。

このアニメの世界では、戦車を使った武道「戦車道」が華道や茶道と並んで大和撫子のたしなみとされています。

戦車道は第二次大戦中の戦車を使った団体競技です。戦車道の名門高校から転校してきた主人公は、大洗女子学園の存続をかけて戦車道の全国大会優勝をめざします。チームの仲間探しや試合で使う戦車を確保するところから始めて、強豪校を相手に試合を勝ち上がっていくスポ根ドラマの王道の展開になっています。

このアニメのもう一つの主役が戦車です。戦車の設定や動きの描写はリアルな考証がされていて、戦車のプラモデル作りに熱中した方や家庭用テレビゲームの名作「パンツァーフロント」にハマった方なら、思わずニヤリなシーンが随所に散りばめられています。

第4話は大洗町内で相手校と激しい市街戦を繰り広げるストーリーです。実在する建物や交差点が出てきます。他にも地元の名産品のあんこうや干し芋が作品中に登場します。

ガルパンが人気アニメになって大洗町周辺は熱烈タイアップで大いに盛り上がっています。

大洗町は声優が登場するガルパン関連イベントを開催して好評でした。鹿島臨海鉄道はガルパン仕様ラッピング列車を走らせました。大洗駅のインフォメーション・コーナーではガルパン展が開催中です。第4話で対戦校の戦車が突っ込んだ割烹旅館「肴屋本店」は宿泊予約が急増して「聖地巡礼プラン」を始めました。

大洗町の一般の方にもガルパンは認知されています。巡礼で訪れたマニアが地元の方に道を訪ねたら「ああ、戦車が突っ込んだ旅館ね」と教えてくれたそうです。主人公が食べる験担ぎの「ガルパンかつ(勝つ) 」はレストランのメニューになっています。

もともと2012年末で放送完了の予定でしたが、制作が遅れて最終回は今年の3月放送に延期になりました。しばらくはガルパンブームが続きそうです。今年は日本旅行水戸支店主催で東京から1泊2日の「ガールズ&パンツアー”大洗”巡礼ツアー」の企画があります。

ガルパンは海外の一部の国で有料配信されました。海外のファンも存在します。魅力的なコンテンツがあれば簡単に国境を超えられる時代になりました。やり方次第で海外からの聖地巡礼の観光客を誘致できるかもしれません。

公的資金で製造業の資産を買い取るだけが景気支援対策ではないですね。

がんばれ、大洗町。がんばれ、日本。パンツァーフォー(戦車前進)!!

Comment(4)