オルタナティブ・ブログ > てくてくテクネコ >

顧客サービスとITのおいしい関係を考える

海外の売上を入金してもらう方法【PayPal編】

»

前回で海外からの少額振込の手間と費用にうんざりして、他の方法はないかと考えました。クレジット会社の加盟店になることも考えられますが、弊社の場合はそこまで頻度は高くありません。このような状況で最も妥当なのはPayPalと判断しました。

PayPalは海外では企業間決済の手段として普及しています。日本でeBay等のオークションをやっている方は、以前から使っているかもしれません。現在は日本語のサイトが用意されて、日本語で申込ができるようになっています。法人アカウントも作ることができます。

法人アカウントの申込はオンラインでできるのですが、その時に確認書類が必要です。これは法人の分と担当者個人の分が必要です。

法人の確認書類は履歴事項全部証明書(いわゆる登記簿)になります。これは法務局まで行くか、オンラインで法務局に申し込んで郵送で受け取ります。私は自宅の近所に法務局があるので、自分で行って取ってきました。郵送だと日数がかかります。

担当者個人の書類は、運転免許証やパスポートなどです。

これらをJPEGやPDF形式のファイルにしてPayPalにアップロードする必要があります。今回は書類をスキャンしてPDFで送りました。

本人確認のポイントは、書類に書かれている通りの丁目や番地で画面から入力することです。履歴事項全部証明書は普段使わない正しい住所になっていることがあります。ここで差異があると、審査保留のメールが来ます。画面から再入力すればいいのですが、PayPalの画面が複雑でどこを直していいのかわからず、コールセンターに電話しました。

電話で待たされることはなく、すぐに担当者に繋がりました。カタカナ名前の日本語をまあまあ普通に会話する方でした。インドか中国あたりにつながっているのかもしれません。画面の操作を教えてもらいながら、住所を入力し直しました。

確認が終わると、いよいよクレジットカードの登録になります。これは個人名義のカードでも大丈夫です。

ここまで終わると、ようやくオンラインでPayPal請求書を出すことができるようになります。請求書に自社のロゴを入れてカスタマイズして、お客様に送りました。

お客様が決済すると、PayPalからメールが来ます。このメールを放置してはいけません。PayPalにログインして、決済を承認することで、初めて自社のPayPal口座に入金します。ここまで来れば、まずは一安心です。

PayPalを支払にも使うのであれば、そのままPayPal口座に入れておいてもいいのですが、弊社は入金専用です。これを自社の銀行口座に移さなければいけません。

振り替えの手続きはPayPalの画面でできます。ただし、アカウントを作った直後は月に6万円以上は振り替えできない決まりです。これを解除するには登録したクレジットカードにPayPalが課金してくる時の4桁のコードを画面で入力しないといけません。クレジットカードの請求をオンラインで確認できない場合は、クレジットカードの請求書が郵送されてくるまで、1ヶ月以上待ちになります。

ようやく振り替え指示まで辿り着きました。ここで重要なことは、海外送金の場合は受け取った金額の3.9%+40円の手数料をPayPalに支払うことです。お客様に5万円を請求した場合は1,990円が自動的に差し引かれます。銀行に比べると安いですが、それなりの金額になります。参考までに1件あたり約10万円以下ではPayPalがお得で、それ以上になると銀行の方が有利になります。

多大な手間を乗り越えて、ようやく振り替え指示が終わってやれやれと思っていると、最後に大きなオチがありました。PayPalという名義の海外口座からの送金扱いになるので、結局、銀行から確認の電話がかかってきたのでした。「なんだ、受け取る手間は銀行でもPayPalでも同じ、というか、アカウントの開設や管理を考えると銀行に送金してもらった方が全然楽だ。」という結論になったのでした。

海外からの入金は面倒です。

Comment(0)