祝NetCommons10周年、そして次のステージへ
毎年恒例のNetCommonsユーザカンファレンスが、8月6日に都内で開催されました。
NetCommonsプロジェクトが始まってから、今年で10周年になりました。オープンソースとして公開されたのが7年前でした。
現在のバージョン2系になったのは2008年で、この頃から弊社はNetCommonsを取り扱うようになりました。2009年に初めての市販書籍「私にもできちゃった!NetCommonsで本格ウェブサイト: ネットコモンズ公式マニュアル」が出版されて、その後、毎年1冊ずつシリーズ化されています。
東日本大震災直後の2011年4月1日から開設された文部科学省の「東日本大震災・子どもの学び支援ポータルサイト」で、NetCommonsが使われました。サイトを短時間で構築でき複数の管理者で管理できるNetCommonsの特長を活かして、各種情報を提供するとともに、被災者のニーズと提供可能な支援をマッチングするサイトとして活用されました。※当サイトはその役割を終えて、2012年5月中旬をもって終了しました。
基調講演で「NetCommonsは教育機関で最も使われているCMSになった」と紹介されました。教育現場へのNetCommonsの普及はさらに加速中で、今年度中に導入が決まっている学校や来年度に導入予定の学校が多数あるとのことです。
バージョン2になってから5年目となり、NetCommonsの開発は安定化の方向に向かっています。今回のカンファレンスでは派手な機能追加の発表はなく、今年は地味に終わるかと思っていたところに、最後のクロージングセッションで開発チームからNetCommonsバージョン3計画が発表されました。予告無しの“ワン・モア・サプライズ”でした。
現行のバージョン2はPHPのMapleフレームワークを採用しています。バージョン2の開発に着手した当時はMapleフレームワークが良いという判断でしたが、今となってはMapleフレームワークの開発が止まっている状況です。バージョン3は人気が高まっているCakePHPフレームワークを採用するそうです。またJavaScriptはprototype.jsからjQueryに変わる見込です。
このような変更によってSI会社が独自機能のNetCommonsモジュールを開発しやすくなることが期待できます。
NetCommons3は来年夏頃に一部を公開テスト予定です。NetCommonsからますます目が離せなくなりました。来年のユーザカンファレンスが今から楽しみです。